さらに重要なのは、ここ数年中国の消費者の経済における役割が徐々に後退していることである。個人消費のGDPに占める比率は下降傾向にあり、1998年の60%から2008年には36%まで下がった。これは人々が思っている急速で壮大な中産階級と大きく異なる。モルガン・スタンレーアジアのスティーブン・S・ローチ会長は、「国内消費のGDPに占める比率が50%に達した時、やっと中国は輸出指向型経済モデルを脱却したと言える。今年末、中国の政府投資の対GDP比率は40%から45%に上昇し、前代未聞のレベルに達する。第二次世界大戦後の再建時の日本政府の投資でさえ対GDP比率は34%だった」と話す。
中国政府は危機から回復へのプロセスをすでに経験している。一度は1997年から1998年にかけて起こったアジア経済危機、もう一度は2001年のネットバブル崩壊である。しかし2度の危機での政府の資金投下はその場しのぎの方策に過ぎず、世界経済回復の過程で時間を費やすこととなった。しかし今回は違う。欧米は回復の道を歩み始めているが、輸出にはまだ転機が現れていない。
楽観的見方を示す人は、北京の資金力を強調している。「中国共産党は、現在の世界最大規模の流動金融機関で、財政難は存在しない」と、CLSA証券の中国ストラテジストであるアンディ・ロスマン氏は話す。資金面で政治あるいは法律の壁にぶつかることはなく、多くのエコノミストが中央集権政府が貸付緊迫時に優勢を占めるとの見方に同意している。
中国は社会保障システムの構築を開始しており、民衆の消費意欲を高めようと努めている。当然、上昇を続ける富裕レベルも同様に消費奨励にプラスとなる。しかし、中国は廉価・汚染型の産業から、世界に認められるブランドへの転換を遂げる必要がある。高度に発展した輸出大国となる前に、中国は依然として後れた消費者社会なのである。
「チャイナネット」 2009年7月10日
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