中国自動車工業協会によると、国家発展改革委員会・財政部・商務部・税関総署は4年余りにわたって実施してきた「完成車の特徴を備える自動車部品の輸入管理弁法」(以下、「管理弁法」とする)を9月1日から取り消すと発表した。これは、08年12月に世界貿易機関(WTO)がこの「管理弁法」を違反だと裁決したことを受けての措置。「上海証券報」が伝えた。
05年4月1日、中国は「管理弁法」を本格的に実施。この「弁法」では完成車価格の60%以上を占める輸入部品は完成車と同等の関税を徴収すると規定していた。ちなみに部品の関税は10%、完成車の関税は25%となっている。中国側は、この措置は世界的な自動車メーカーがモジュール部品を中国に輸入して組み立て、脱税するのを防ぐためだと主張したが、EUと米国は手を組んで06年にWTOに中国の「管理弁法」は違反だと提訴した。
業界では、「管理弁法」の取消による自動車部品メーカー全体への影響はごくわずかだと考えられている。中国の自動車関連サイト「Gasgoo」の陳文凱CEOは「国内の自動車市場の競争が激化するに伴い、大多数の合弁自動車は急ピッチで国産化の割合を高めている。一部の合弁企業の部品調達システムに組み込まれたメーカーからすれば、政策変動によって発注が減ることはまずないし、本土調達の割合が低い核心部品メーカーからすれば、政策変動による影響はもっとないだろう」と話す。
「管理弁法」の変動後に影響を受けるのは一部の中・高級国産車、特に国産化率が40%に達していない製品だ。このため一般的には今回メリットがあるのは北京ベンツだといわれている。多くの自動車メーカーは、主力製品の本土調達の足並みを緩めることはないとしている。サプライチェーンが長過ぎれば、供給が不安定になったり市場でのチャンスを逃す恐れがあり、ムダがあるためコストも高くなるからだ。
「人民網日本語版」2009年8月28日