ホーム
昆明、「海外帰国派」の今
発信時間: 2009-10-20 | チャイナネット

 

◆起業団地で

雲南省昆明。ハイテク開発区の留学生起業団地にあるビル内は、忙しく行き交う人たちの足音がいつまでも絶えない。オフィスは透明で明るく、壁は大きなガラス張り、広々とゆったりとしている。職員はコンピューターの前で仕事に。どの企業も海外留学を終えた人がオーナーだ。

留学生起業団地は01年9月に創設された。米国の大学を卒業した陳子久氏は01年に開発区に珍友縁医薬科学技術有限公司設立。陳氏が研究開発した「三陽血傣」は、化学療法を受けた後のがん患者の免疫力低下に対処する抗がん剤で、国内の白細胞を増殖させる同類の漢方薬の中でも先進的だ。陳氏は「『三陽血傣』はもともと傣(ダイ)族の民間調剤で、伝統的で簡単な加工方法ではなく、現代的な手段と設備を用いて製造した。民族薬の天然の調剤を発展させることが重要な研究課題となっている。『三陽血傣』のような知的財産権を備え、治療効果も確実な天然の抗がん剤は、産業化して、国際医薬市場の基準をもとに研究開発し、生産し販売する運営モデルは、雲南の民族医薬事業の国際化に素晴らしい模範、推進的な役割を果たすでしょう」と話す。

◆赤十字病院で

省紅十字会医院に勤務する眼科医の肖雲皋氏は99年、オーストラリア留学を終えて故郷の雲南に戻った。肖氏は「外国は物資的条件や教育の質は非常に素晴らしいですが、もし引き続き国外にとどまり、専攻が基礎研究の課題ならば、臨床に従事したいと思ったのです。故郷のお年寄りのためにもっと貢献するつもりです」と語る。

◆「紅冰坊」で

昆明国際貿易センターで開かれる様々な展示会に行った人は気づいたのではないだろうか、正面ゲート南側の目立たない小さな公園の傍に、「紅冰坊」という名の酒坊がある。雲南出身のオーナー2人、汪さんと蔡さんはカナダに留学して博士号を取得。欧米で最新流行の消費概念とヒューマニズムに富むリラックス方法を昆明に導入した。

DIYは、英語の「do it yourself」の略称。自ら作り、自ら体験するという意味だ。この新消費方法は新しい経済スポット、体験経済をもたらし、調合酒DIYも体験経済の一種。オーナーは興味を持った消費者には自らリキュールを調合してもらう。

汪さんと蔡さんは「国外で起業するのは競争が激しく、困難も非常に多いけれど、国内で市場を開拓する場合はチャンスも比較的多い」と話す。2人は昆明とバンクーバーの間を定期的に往来するなど、事業のために奔走している。

「チャイナネット」 2009年11月

  関連記事
  同コラムの最新記事

· 大学生ボランティア・李遠さん

· ロシア人医師、「チベット白内障治療支援活動」に参加

· チベット 察隅農場の「転身」

· 西部大開発へ強い関心 エコノミスト・宮崎勇氏

· チベット高原の「牛財神」