もう一面から見れば、高等教育はエリート教育から大衆教育まで広がり、この10年間で大学生の数は年間およそ30%の割合で激増している。大学入学率も60%を超え、地方によっては70%~80%のところもあるほどだ。「大学卒業」はすでに「ハイレベル人材」の代名詞ではなくなった。
つまり「学歴」は給料を決める唯一の基準ではなく、われわれは業務の業界、職責などの要素を考慮すべきだろう。また、大卒者と農民工という2つの完全に異なる集団は、その人生の軌道や就業前の環境が完全に異なっている。大卒者の就職は、主に専門技術や知的労働傾向があり、農民工は一般的に肉体労働だ。この2つの集団の給与水準は単純に比較できない性質を持っている。
表面的には、大卒者と農民工の初任給に大差はないが、大卒者の将来性は農民工より大きく広がっている。大卒者は数年の仕事を通してある程度の経験を積めば、そのポテンシャルはさらに大きくなり、給与も明らかに上昇する。
成都市人力資源社会保障局はある調査を行った。対象者は420社の企業会社員だ。彼らの給与の平均的な中間層をみると、2010年博士卒の年収は9万元、修士卒は7.2万元、本科卒は4.4万元、高専卒は3万元、高校、中等専門学校卒は2万元、小中学校及びそれ以下の学歴では1.8万元という結果が出ている。
成都市人力資源社会保障局の張鐘慶副局長は、取材に対し、調査対象者の博士卒か、それ以上の学歴を持つ人の最高年収は37万元以上で同様の修士卒と比べおよそ10万元以上の差があった。学歴のちがいによる給与の差は明らかにあり、学歴、技術のレベルが高いほど、給与もこれに応じて高いことがわかった。
農民工については、アルバイト不足の情勢を反映した給与水準の上昇が、単純労働の反復性、単調さ、前途の不透明性、低い社会的地位などの問題を見えなくしているという指摘もある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年7月28日