中国海関(税関)総署が8月10日発表したデータによると、7月の中国の貿易総額は前年同期比2.7%増の3287億3000万米ドルだった。うち輸出は同1%増の1769億4000万米ドルで、6カ月ぶりの低水準となった。輸入は同4.7%増の1517億9000万米ドル。7月の貿易収支は251億5000万ドルの黒字で、前年同期より16.8%縮小した。13日付中国証券報が伝えた。
アナリストによると「7月の輸出伸び率が予想以上に急減速したのは、外部経済が予期していたほど回復せず、外需の衰退による影響が増したことを示している。短期間内、外需の低迷及び内需の不振、中国の対外貿易の回復は第4四半期に延びる可能性がある。通年の貿易総額10%増という目標の達成も困難となっている」との見方した。
◆輸出の減速は予想以上
海関(税関)総署の統計データによると、7月の中国の輸出は前年同期に比べわずか1%増にとどまった。季節調整後の輸出は同1.6%増。2012年1―7月、中国・欧州連合(EU)間の貿易額はの前年同期比0.9%減の3157億5000万米ドル。同じ時期、中国・米国間の貿易総は同10.5%増の2714億米ドル。中国・日本間の貿易額は同0.2%減の1908億6000万米ドルだった。
交通銀行チーフエコノミストの李連平氏は「7月の輸出の前年同期比伸び率が、6月に比べ大幅に縮小した要因は主に3つある。一、前年同期の基数の影響。2011年7月には輸出の数値は1750億米ドルと高水準だったため、2012年の前年同期比伸び率が小さくなった。二、米国経済の回復が鈍化し続けていることが、中国の輸出成長にとってマイナスとなった。三、従来の発展地域である沿岸地域の輸出コストの上昇、一部の労働集約型産業の転出によって、従来、輸出が集中していた地域の伸び率が明らかに減速した。加えて、中国と欧米諸国などの先進国、ブラジルなどの新興国の貿易摩擦が全体的に激化し、輸出成長は大きな困難に見舞われている」との見方を示している。
浙商証券マクロ経済アナリストの郭磊氏は「輸出が予想していた水準を大きく下回ったことは、同時期に米国経済の回復が不透明であったこと、欧州債務危機に根本的な変化かが見られなかったことに関係する。輸入は概ね予想通りで、主に内需関連の指標がいずれも不振だった。総合的に言えば、7月の工業データと貿易データはマクロ面の不透明さを示しており、それによってもたらされるリスクが期待通りに減少しなかった。しかし、政策が緩和される余地は広がった」と見ている。