買い物目的の海外旅行が増え続けている。欧米のブランドショップは中国人観光客が必ず行くべき場所になっている。ブランド品を持ち帰られなければ、本当の海外旅行ではないといわれるほどだ。事実、ほとんどの有名ブランド品は中国国内でも購入可能なのに、なぜ中国の消費者はそんな遠くまで行って買うのだろうか。その原因を追究すると、国際的なブランド品は長い間、国内の販売価格が海外に比べ大幅に高額であることから、購入したい中国人はやむを得ず海外市場で購入するしかなかったからだと思われる。
ブランド品はなぜ海外のほうが安いのか
有名ブランドシャネルのハンドバッグTimeless Classic Flapのフランスでの販売価格は3100ユーロ(約3839ドル)、中国国内では3.7万元(約5850ドル)でその差は34%。ルイヴィトンのバッグSpeedy 30は中国国内では6100元(約964ドル)、欧州の販売価格はたったの500ユーロ(約619ドル)でその差は36%。同じ品物が、場所が違うだけで、このように大幅な販売差額が発生する。どうりで中国の消費者は先を争って海外でブランド品の購入に走るわけだ。
事実、ブランド品は中国国内では価格が高いだけでなく、ほとんど値引きもない。海外では、ブランドの値引きは通常よくあることだ。あるフランス在住の林さんは取材に答え、LV、Gucciなどのブランド品は、大きな祭日になるたびにセールを行い、ほとんどの品物は3-5割り引きの価格で買えるという。ヨーロッパでは、300ユーロ前後のGucciのバッグも多い。同じようなバッグが中国国内では5000元前後になる。海外よりも約50%も高い。中国では季節が過ぎると割引販売される。
「中国のブランド品の価格は海外に比べかなり高額なので、海外で大量に有名ブランド品を購入する人が多い。」中国社会科学院 財経戦略研究院の依紹華副研究員によれば、中国人が海外でブランド品に使う金額は、ここ毎年世界トップだ。米ベインキャピタルが発表した「中国ブランド品市場研究」というレポートでは、2010年に中国人の海外ブランド品購入はのべ500億ドルに達している。これは中国国内購入の5倍近くで、中国は事実上ブランド品購入の世界最大国になっている。
税金とマーケティングが値段を引き上げる
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年8月18日