銀聯公式サイトに発表された統計によると、2005年に銀聯がシンガポール、タイなどで業務をスタートしてからこれまでに、シンガポール国内ではほぼすべてのATMで銀聯カードでの現金引き出しができるようになり、特約店は1万店を超えた。チャンギ空港、主要な免税店、ショッピングセンター、ブランド専門店、一部のレストラン、ホテルで銀聯カードの使用が可能だ。タイでは七大商業銀行の数万台に上るATMで、マークのあるなしにかかわらず、銀聯カードでタイバーツを引き出すことができる。タイの銀聯カード特約店は数千店に達し、大型デパートや観光ツアーで訪れる店がその中心だ。銀聯カードが使えるATMには中国語の画面もある。
中国工商銀行シンガポール支店は昨年3月に人民元業務センターをうち出した。カシコン銀行もこのほど中国語でのサービスを提供する3つの支店を開設した。同行が行った記者会見では中国のスタンダードナンバーである「茉莉花」や「瀏陽河」が流れ、慶事に着る中国式の伝統衣装を着用した同行のトップ達が会見を行った。これから中国語サービス支店をどれくらいうち出すのかとの質問に、陳執行副総裁は、「タイの多くの中学、高校、大学に中国語課程が設置されている。5-6年後には、中国語を学んだ学生が卒業するので、われわれはより多くの従業員を抱えることになるだろう」と笑顔で述べた。
人民元取引が加速する背景には、拡大を続ける中国・タイ間の貿易や投資の後押しがあり、中国から大勢の観光客がタイを訪れているという後押しもある。両国間の貿易額は01年の70億5千万ドルから11年は647億4千万ドルに増加し、中国の対タイ投資は03年の1億5100万ドルから11年は9億5千万ドルに増加した。またタイを訪れる観光客は01年ののべ約80万人から、11年はのべ176万人を突破し、今年はのべ200万人を超える見込みだ。中国は初めてマレーシアを抜き、タイにとって最大の旅客提供国となった。