写真3:発言する上智大学地球環境学研究科の柳下正治教授
過去2年近くの努力の結果、都市廃棄物の循環利用に向けた国の政策および法制度の整備は進み、国家レベルの都市廃棄物の循環利用に関する政策が検討されたほか、対象都市において対象となる都市廃棄物の適切な処理および循環利用も促進された。
今回のセミナーでは、プロジェクト開始から現在までに実施された実態調査結果に基づく都市廃棄物循環利用の現状と課題についての報告が行われたほか、出席者は都市廃棄物の循環利用に関する政策、地方都市における動向、今後の都市廃棄物の循環利用における中日協力の方向性などを熱く議論した。出席者は、中国の都市廃棄物の量は膨大だが、処理する場所が分散され、処理方法が単一であるうえ、法制度がまだ不十分だとの見解を示した。
また、市民のごみ分類やリサイクルに対する意識は高まっているが、まだ抵抗感が残っていることが指摘された。問題を根本から解決するには、現状を明確に把握したうえで法制度の整備、市民の環境に対する意識の向上、支援策を用いた関連企業の育成など総合的な方法をとる必要があると考えられる。