ASEANはこのほど自由貿易圏をめぐるパートナー国のオーストラリア、中国、インド、日本、韓国、シンガポールとともに、今年11月にこれらの国をカバーする東アジア地域の包括的経済連携(RCEP)の交渉をスタートすることを明らかにした。
チャム大臣はRCEPはTPPのライバルであるとし、「RCEPが擁する人口は30億人で、世界の総人口の半分を占める。国内総生産(GDP)の総和は17兆2300億ドルで、世界の約30%を占める。よって、こうした点からみても、RCEPは(TPPに比べて)より大きく、より重要で、かつより実行可能だ」と述べた。
ASEANのスリン・ピッスワン事務局長は、「ASEANとASEANの自由貿易圏をめぐるパートナーにとって、RCEPはより実際的な基礎を備えている。一部のASEAN加盟国で大きな政治的紛争を引き起こし、緊張感を高めているTPPとは異なり、RCEPは加盟国で政治的な衝突を数多く引き起こすことはあり得ない」と話す。
オーストラリアのニューサウスウェールズ大学の由冀教授は、「現在、米国はTPPでてこ入れをはかっているが、米国がアジア・太平洋地域の経済に戦略的な貢献をすることができなければ、米国のいわゆる『経済でのアジア太平洋回帰』は単なる偽の命題になってしまい、TPPも大きな成果を挙げることは難しくなる」と指摘する。
「人民網日本語版」2012年9月7日