しかし今年5月より、釣魚島問題がエスカレートした。日本の同問題を巡る行為は、自国のみならずアジアの貿易一体化の歩みを遅らせた。日本の電子製品と日本車の売上が減少し、輸出貿易が深刻な打撃を被った。財務省が発表した貿易統計速報によると、8月の日本の貿易赤字は7541億円に達し、7月より2カ月連続の貿易赤字を記録した。主な理由は輸出の減少で、8月の輸出額は5.8%減となった。輸出先を国別に見ていくと、対米輸出額は前年同月比10.3%増となり、10カ月連続の増加となった。対EU輸出額は22.9%減となり、11カ月連続の減少となった。対アジア輸出額は6.7%減となり、3カ月連続の減少となった。このうち対中輸出額は9.9%減となった。
アジアのサプライチェーンは、グローバル経済の中で最も重要な位置を占めている。アジア諸国の多くは既製品を生産するのではなく、生産全体の一部を担当し、各国間に垂直統合の関係が形成されている。
データによると、過去10年間のアジアによる対欧米輸出額が全体に占める比率が大きく低下し、アジア内の貿易額が大きく上昇した。アジアのサプライチェーンの中心は中国に移っていったが、日本はその中で依然として重要な役割を演じている。日本は中国に次ぐ世界2位の半製品供給国で、対中・対韓・対台の半製品貿易で黒字を計上している。日本は中国にとって最重要の半製品供給国で、中国がアジアから輸入する半製品の総額に占める比率が、3分の1を上回っている。中日関係の緊迫が続けば、日本による半製品の供給量がさらに減少する。アジアのサプライチェーンの核心である中国の製造業も、これにより影響を被り、一連の連鎖反応が引き起こされるだろう。