英国に本拠地を置くビジネスコンサルティングファームのアーンスト・アンド・ヤングが25日に発表した報告書「勢いに乗って行動を 中国の生産率向上」によると、中国では過去5年間に労働力コストと製品コストが目立って上昇した。労働力コストの上昇が最も急で、2007年から現在までの5年間に平均給与は2倍以上にふくれあがった。大口商品の平均価格も51%上昇し、非金属製品は60%、金属製品は19%、エネルギー製品は77%、それぞれ上昇した。「経済参考報」が伝えた。
アーンスト・アンド・ヤングの予測によると、中国にある企業のほとんどで今後、コストの年平均増加率が2けたに達するという。労働力コストについていえば、政府が企業に対し従業員に代わって社会保険料を納めるよう求めていること、最低賃金の目標額が引き上げられたこと、従業員の間に賃金上昇への期待があること、生活コストが上昇を続けていることなどが、労働力コストの持続的な上昇をもたらす圧力になっている。製品コストについていえば、中国の大口商品価格はおおむね世界水準を下回るが、中国政府が行政によるコントロールを徐々に撤廃するのにともなって、国際水準よりも急激な価格の上昇が続いている。また中国が金利の自由化プロセスをスタートさせたなら、ほとんどの企業は資本コストの増大に直面することになる。こうしたコストの増大が企業にどれくらいの影響を与えるかは、企業自身のコスト構造がどのようなものであるかによって決まる。製造業の場合は大口商品(原材料、エネルギー)や中間製品(設備、半製品など)への資金投入が中心だが、サービス産業のコストでは労働力コストと資本コストが中心を占める。