中国が日本を抜いて世界第2の経済大国になると、中国国内には日本経済を憂慮する声が出始め、日本経済は長期的に停滞し、短期的に中国と肩を並べるのは難しいとの見方を示す経済学者が増えている。
こうした見方はまったく間違っている。日本は非常に特殊な国だ。その特殊性は、政治と経済が高度に統一した混合体であるところに現れている。日本の各政治家の背後には強大な利益集団があり、これらの利益集団は現実生活の中では大手財閥として知られている。そのため民主党にしろ自民党にしろ、どの政党が政権をとっても日本の首相が経済発展に関して予想外の政策を打ち出すことはまずない。日本は典型的な経済が政治を主導する国で、政治が経済を主導する国ではない。日本は中小企業の発展に力を入れると同時に、大手独占企業を筆頭とし、中小企業を中心とする経済体系を構築してきた。表面上は日本経済は高度に分散しているようにみえるが、本質的には少数の財閥が依然として経済を独占している。
また日本は、他の国とまったく異なる金融体制を確立してきた。日本の大手財閥は金融機関を直接設立できる上、一部の金融機関では財閥が主な株主となっている。この工業資本と金融資本の高度な融合で日本企業は国際競争で勝ち続けている。80年代の為替相場の変動により、日本の輸出企業は大打撃を受けたが、日本企業はすぐに自らの戦略を調整し、従来の貿易輸出型国を資本輸出型国へとシフトさせた。