2012年9月及び第3四半期のマクロ経済データが間もなく発表される。アナリストは「タイムラグ要因が縮小していることと、食品価格が小幅下落していることが影響し、9月の消費者物価指数(CPI)は前年同期に比べ1.9%前後上昇すると見られる。第3四半期CPIの前年同期に比べた上昇幅は2%前後となり、第4四半期にはある程度上昇に転じることで、通年のCPIは前年同期に比べ2.8%前後上昇する」との見方を示している。8日付中国証券報が伝えた。
アナリストは「工業生産の成長率と政策の緩和が予想を下回っているため、第3四半期の中国の国内総生産(GDP)の前年同期に比べた成長率は7.5%前後に達すると見られ、第2四半期に比べ、やや低下する。GDPの前年同期比成長率は7四半期連続で低下する可能性がある。通年で見ると、経済の成長率は7.8%程度に保たれるだろう。政策の事前調整・微調整は強化される可能性が高く、預金準備率・金利を引き下げる可能性も否定できない。財政政策は引き続き強化されるだろう」との見方を示した。
◆9月のCPI伸び率縮小か
中国交通銀行のチーフエコノミストである連平氏は「9月に入ってから、野菜価格の上昇率が縮小している。祝祭日の影響により、豚肉価格の前期に比べた上昇率は小幅拡大している。9月のCPIの前年同期比伸び率は1.8%程度まで縮小すると見られる」との見解を示した。
興業銀行のチーフエコノミストである魯政委氏は「商務部の過去3週間の食品価格のデータ及び統計局の月上・中・下旬別の価格変動から、9月のCPIは前年同期に比べ1.9%上昇するだろう」との見方を示した。第一創業証券の報告書は「9月のCPIは前年同期に比べ1.8%上昇し、前期に比べ0.3%上昇する」と推計している。
アナリストは「第3四半期、CPIの前年同期比伸び率は2%程度となり、第4四半期にいくらか上昇に転じ、通年のCPIの前年同期比伸び率は2.8%前後になると見込まれる。物価変動のパターンから、2013年、物価は新たな上昇周期に突入する可能性がある」との見解を示している。
◆事前調整・微調整強化の可能性も
アナリストは「第3四半期の物価は低水準での足踏み状態が続くと同時に、経済成長は第3四半期に底固めに入り、GDP成長率は7.5%前後になるだろう」との見方を示している。
魯政委氏は「第3四半期、GDPの前年同期に比べた成長率は7.4%まで縮小する可能性があり、2012年第2四半期に比べ0.2ポイント鈍化し、7四半期連続で縮小する。成長率は2009年第2四半期以来の低水準になるだろう」と見ている。また、「当面の急務は新プロジェクトの資本金を調達することで、資本金が投資総額に占める割合を直接引き下げることである。金融政策は対応する預金準備率と金利の引き下げを行う可能性があるものの、中間期の経済は不動産バブルが拡大し続けるリスクに直面するため、商業用不動産のリスクを注視する必要がある。過去2回の利下げ後に、不動産市場の度重なる規制の効果が弱まる事態が発生したことと、当時の日本のバブル経済が形成されたメカニズムを考慮すると、追加利下げを行うべきではないと考える。必要なときに、金融機関が変動幅の調整作用を利用するのを促すことは考えられる。適度に経済調整を容認し、為替レートの市場化改革などの市場化の方法をより多く利用する必要がある」との見方を示した。
申銀万国のチーフマクロ経済アナリストである李慧勇氏は「総合的に見て、第3四半期の経済成長率は第2四半期に比べ、やや低下し、7.4―7.6%ほどになると見込まれる。経済の底固めの動きは概ね終了する。政策は依然、経済の安定的成長の維持を主軸に、プロジェクトの始動を促進するため、金融政策の緩和した状態は保たれるだろう」との見方を示している。
連平氏は「現在の政策は尚も『穏中求進(安定を保ちつつ経済成長を促すこと)』を基本方針としており、事前調整・微調整はいくらか強化されるものの、過度に推進されることはない。市場の短期的な景気見通しが弱いため、第2四半期に始動した多くの『経済の安定的成長の維持』に向けた政策の効果が現れる時期は、年末まで引き延ばされる可能性がある。第3四半期のGDPの実質成長率は第2四半期に比べやや鈍化し、7.5%前後になる」と見ている。
「中国証券報」より 2012年10月08日