英紙『フィナンシャル・タイムズ』のサイトに、「中国の工場が機械によるオートマチック化の道を進んでいる」という文章が掲載された。以下は抜粋である。
中国南方にある東莞市の工場に、四角の箱が列を作って並んでおり、まるで宇宙飛行士の休息スペースのようである。この24台の日本製のメリヤス機は香港美羅針織工場の傘下にある、この工場が所有していており、まもなく新たに4台増える予定だ。こうした機械を揃えるために総額180万ドルもの大金が投じられている。
機械を操作する従業員はわずか二人。このような工場は「中国製造業」という典型的なイメージとかなりずれている。広東省の他の工場では、数千人或いは数万人もの従業員が作業台で一生懸命働いている姿がよく見受けられる。そのようにしてiPhoneやスニーカーなどの製品が作り上げられている。
だが、こうした工場で見られる機械によるオートマチック化は、中国の新たな工業革命の到来を示唆しており、労働力の状況が変化したことがその背景にある。30年続いてきた「一人っ子」政策によって労働力は不足しており、従業員の奪い合いが非常に激しいため、工場経営者は年々賃金を増やさなければならなくなっている。加えて中国の若者は、単調な生産ラインよりもレストランや商店で働くことを好む傾向にある。