中国の不動産価格の問題は、ノーベル文学賞とはなんら接点もないように思われるが、中国で初めて同賞を受賞した作家・莫言氏のとある発言が、国内世論の大きな注目を集めている。2012年のノーベル文学賞を受賞した莫言氏は750万元もの多額な賞金を何に使うか質問された際、「北京で家を購入つもりだ。大きな家をね。そしたら、大きな家は難しいと言われたんだ。北京では1平方メートル当たり5万元するため、750万元ではせいぜい120平方メートル程度の広さの家しか購入できないようだ」と笑いながら答えた。
「750万元」も「家を買うこと」も、中国の圧倒的多数の人にとっては、天文学的な金額であり、全財産を投げ打つ覚悟がなければ実現できない夢である。しかし、ノーベル賞のような世界的権威のある偉大な賞を受賞した人でさえ、「750万元は多いとは言えない。家を1軒買える程度だ」と感じている現実を目の当たりにしたとき、中国の不動産価格が驚くほど高いこと、残酷なまでに高額であることが改めて浮き彫りになった。