北京国際海水淡水化シニアフォーラムに参加している専門家は28日、「海水の淡水化が真水を得るための最も重要な手段となっており、淡水化の主要方法の一つである膜ろ過法のコストが益々低くなっており、中国の海水淡水化産業の発展を促進している」との見方を示した。
膜ろ過法には、温めた海水から発生する水蒸気を特殊な膜を使って、塩分などの不純物を取り出し、通過した蒸気を冷却し凝縮させることで、淡水として回収する「膜蒸留法」や、水を通し、イオンや塩類など水以外の不純物は透過しない性質を持つ「逆浸透膜」でろ過する方法などがある。化学分離の専門家で中国工程院院士の高从堦氏は「膜は網目が非常に細かいフィルターで、水分の分子だけしか通過できず、他の粒子の粗い塩類などを通さない」と説明する。
高氏は「中国の海水淡水化の技術は既に60年余りの経験を経ており、ここ10年で急速に発展を遂げている。膜の技術発展が重要なけん引力となり、海水淡水化産業を促進している。現在、海水の淡水化のコストは既に4割まで削減されており、1トン当たり5元で淡水化を実現できるまでに至っている」と話す。