10月26日、人民元対米ドルのスポットレートが一時最高値を更新し、2日連続の「ストップ高」で制限変動幅に迫り、7月下旬から続く急速な切り上げ傾向が強まった。外国為替市場関係者は「ここ最近、人民元高が続いている主な要因は様々で、市場の外貨決済に対する需要が高まったことが顕著に表れている。寄り付きで最高値を付けた後、取引終了前に安値で大量に売られたことは、中国人民銀行(中央銀行)が介入を強化する可能性があることを暗示している」との見方を示した。主要通貨の動向、中国国内外の経済環境を合わせて考えた場合、人民元対米ドルレートの上昇を引き続き後押しする力は弱く、今後の人民元相場は上昇と下落の繰り返しが常態化し、中国に再び大規模な資本が流入する可能性は小さく、外部資金のA株市場への大掛かりな参入の可能性も高くない。29日付中国証券報が伝えた。
人民元相場の動向が変化したことに関して、まず米ドルの動きを無視することはできない。米ドル指数が7月25日前後に高値から反落し始めて以降、人民元相場はぴったりと後に続くように動いており、人民元の切り上げに米ドルが強い影響を及ぼしていることがわかる。しかしながら、米ドルの為替レートだけで見ると、人民元との相関関係は顕著に表れていない。特に米ドルは9月14日から安定し始めているものの、人民元対米ドル為替レートの上昇の勢いは益々激しくなっている。