欧州債務危機は深刻さを増し、いまだに解決の方法や糸口がみえてこない。自動車産業はグローバル経済の重要な構成要素であり、欧州債務危機から受ける影響が徐々に深刻化している。イタリアのフィアットは欧州の2工場を閉鎖し、フランスのPSA・プジョーシトロエンと米国のゼネラルモーターズ(GM)は数千人規模のリストラを行い、日本の三菱自動車は欧州工場の売却に踏み切った。中国市場に力強く支えられてきたドイツのフォルクスワーゲン(VW)も、今年第3四半期(7-9月)の営業利益は前年同期比21%減少し、2009年のグローバル金融危機の頃以来のマイナスとなった。「中国青年報」が伝えた。
ドイツのベルギッシュ・グラートバッハ応用科学大学自動車研究センターのシュテファン・ブラッツェル所長は、「欧州債務危機がドイツに影響を与えたことは明らかだ。来年も欧州自動車市場は低迷を続け、ドイツの自動車メーカーが直面する問題はさらに悪化し始めたところだ」とし、VW、BMW、ベンツなどのドイツメーカーは今後より多くの業務を中国市場と米国市場に移転させるが、これで欧州市場での損失をすべて埋め合わせすることはできないとの見方を示した。BMWのセールス・マーケティング担当取締役のイアン・ロバートソン氏は先月17日、「欧州の課題はますます厳しいものになっている。欧州自動車市場の回復・安定に向けた道はデコボコで、元に戻るには何年もかかる可能性がある」と述べた。