中国人民銀行(中央銀行)は2日、2012年第3四半期の「中国金融政策執行報告」を発表した。同行は報告の中で、今後も穏健な金融政策を維持し、調整の先見性・的確性・柔軟性を強め、事前調整・微調整を進め、経済成長・物価安定・リスク予防の3者のバランスをしっかりと把握し、金融環境の安定維持に重点を置き、市場経済が持つ調整・安定メカニズムを発揮できるよう、条件を整えていくと指摘した。人民日報が伝えた。
報告の内容は以下の通り。
中央銀行は今後も引き続き国際収支および流動性需給の状況に基づき、逆現先、現先、中央銀行手形、預金準備率など各種流動性管理ツールを組合せ、銀行システムの流動性を柔軟に調節し、市場利率の落ち着いた運行を誘導していく。また、引き続き各種の異なる住宅金融政策を厳格に実施し、低・中所得者層向け「保障性住宅」、中小規模分譲住宅の建設と、1軒目の分譲住宅購入を支援する一方で、投機・投資目的の住宅購入を断固として抑制する。人民元為替レート形成メカニズムの改革をさらに推進し、柔軟性を高め 、為替相場形成に市場の需給がより大きな役割を果たせるようにし、人民元相場を合理的でバランスの取れた水準で安定させる。
マクロ経済の情勢を見ると、中国経済の安定的で比較的速い発展を支えている基盤には今のところ根本的な変化は生じておらず、引き続き安定的で比較的速い発展が続くと見られる。中国は依然として都市化、情報化、工業化、農業近代化のプロセスにあり、経済構造は予想通りの方向へと転換しつつある。しかし一方で、中国経済が直面する国内外の環境は複雑であり、長引く金融危機の影響で外需も打撃を受けている。国内の内生的成長の原動力はさらなる強化が必要である。
「人民網日本語版」2012年11月3日