ノーベル賞受賞に伴う産業化の波がいつまで続くかは知るよしも無い。しかし、1人の作家がここまでビジネス界から注目され、産業チェーンが拡大し、関連商品が絶えず開発され、持続的な付加価値効果が生まれるとは、文化の産業化が促進される今日、深く考えるに値することだ。
莫氏の「産業化」から、文化の産業化が多くの人々にとっての夢であることが分かる。一つのジャンルから、ある個人や一つの作品にいたるまで、無限のビジネスチャンスを開発することができる。一本の産業チェーンを形成し、関連商品を生み出し、資本市場と結びつけ、商業利益の最大化を図る。これはすでに一つの共通認識となっている。莫氏の産業化は、まだ計画や想像の段階に留まっており、その中には「憧れ」の要素も多く含まれる。しかしその文学作品を読んでいる最中、もしくはまだ読んでいないうちに、文学以外の利益を考慮することは、文化の産業化の誘惑が文化そのものを呑み込みつつあることを示している。