「微信」の台頭、中国の在来通信事業に大打撃

「微信」の台頭、中国の在来通信事業に大打撃。

タグ: 中国通信事業

発信時間: 2013-02-20 19:07:02 | チャイナネット | 編集者にメールを送る
「微信」の台頭、中国の在来通信事業に大打撃

 テンセントの提供するチャットアプリ「微信」などの台頭により、通信キャリアのショートメッセージ、MMS、通話などの伝統的な事業に深刻な影響が生じている。経済参考報が伝えた。

 中国工業・情報化部(工業・情報化省)のデータによると、2012年末現在、中国の携帯電話ユーザー数は11億1200万人に達し、携帯電話の普及率が前年比12.2%増となった。2012年の全国ショートメッセージ送信量は8973億1000万通に達したが、2.1%という増加率は2010年の7.1%、2011年の6.2%を大きく下回った。ショートメッセージ送信量の増加率は、ユーザーの増加率を大きく下回っているが、これは1人当たりの送信量の大幅減を示している。

 通信リサーチ大手のオーバムは、「無料通信ソフトの普及による、世界通信キャリアの2012年のショートメッセージ事業売上高の損失額は、230億ドルに達する。2016年には、損失額が540億ドルに拡大する」と予想した。

 ■微信による新年の挨拶が流行

 多くの人にとって、ショートメッセージの送受信・削減は、春節休暇中に避けることができない宿題だ。

 天津市の某事業単位に勤務する何さんは、「大晦日の夜にショートメッセージが殺到することはよくあり、一日だけで百通以上を受信する場合もある」と述べた。ショートメッセージの内容が重複しており、新鮮さもなければ誠意もない。長年続いたショートメッセージによる新年の挨拶は、すでに形式主義的になっている。

 一方で、微信による新年の挨拶が急速に流行しており、注目を集めている。微信は音声・文字・表情・画像・映像・位置などの各種情報を伝えることが可能だ。テレビ電話の機能まで備えた微信がユーザーに提供するサービスは、伝統的なショートメッセージ・MMSを大きく上回っている。サービス提供から2年が経過した微信のユーザー数はすでに3億人以上に達した。ユーザー数により計算するならば、微信はすでに中国聯通(チャイナ・ユニコム)と中国電信(チャイナ・テレコム)を上回っており、「中国2位の通信キャリア」になっている。

微信の急速な台頭により、伝統的な通信キャリアのショートメッセージ・MMSが深刻な影響を被っている。

■通信キャリアへの影響

中国移動(チャイナ・モバイル)の李躍総裁は、「伝統的な通信キャリアの事業は強い衝撃を受けており、特に微信などから受ける圧力が大きい。これらの事業は、通信キャリアのこれまでのショートメッセージ・通話・国際電話事業を脅かしている」と述べた。

市場調査会社iiMedia Researchの張毅CEOは、「これまでの微信に対するイメージはトランシーバーで、通話をする両者の言葉を相互に伝えていたため、交流に遅れが生じていた。これではボイスメールと同じで、サービスの品質が高くない。しかしリアルタイム通話が提供されると、音声がリアルタイムで伝えられるようになった。同時に一人の相手としか通話できないが、サービスの品質が格段に上昇し、携帯電話を使っての通話と本質的な差はなくなった」と指摘した。微信は通信キャリアのルートを利用し、自社の無料通話事業を構築した。これは通信キャリアの伝統的な通話事業にとって、「致命的な打撃」となっている。

■通信キャリアの対策は?

微信は大胆なイノベーションにより、ユーザーに提供するサービスはユーザー数が最多の「手機QQ」(テンセントが提供するインスタントメッセンジャー、手機=携帯)に、まったく引けをとらない。多くのユーザーは手機QQから微信に鞍替えしており、手機QQの「微信化」を引き起こしている。微信と手機QQという自社アプリの競争により、手機QQのイノベーションが促されている。最新版の手機QQは通話機能が搭載されており、ページのデザインも微信に近づいている。人々の日常交際範囲の安定性により、手機QQと微信の境界線が、日増しに曖昧になっている。

通信キャリアが対抗すべき相手はすでに微信のみではなく、微信と手機QQによる「微信同盟」だ。

3大通信キャリアもまた、沃友、飛聊、翼聊などの微信に準じる商品を提供しているが、ショートメールとの「共食い」を避けるため、大規模な普及には踏み切れていない。またモバイルアプリは本来、通信キャリアが得意とする分野ではなく、上述した商品はテンセントを前にしてまったく競争力を持たない。

張CEOは、「通話料金の相次ぐ値下げ、ショートメッセージ収入の大幅増を望めない状況下、パケット通信事業は通信キャリアの成長にとって、最も重要な原動力となっている。微信の流行は、通信キャリアのパケット通信事業を支えることが可能だ。同事業を共同で発展させ、合理的な利益分配方式を確立すれば、双方の共同の利益に合致する」と述べた。

通信キャリアが自社のチャットアプリを発展させたり、第三者の通信企業と提携するケースは少なくない。微信は香港電訊との提携を通じ、微信ユーザーの優遇プランを提供する計画だ。微信ユーザーは毎月8香港ドルの基本料金を支払うだけで、香港で微信を無制限に使用し、音声・動画・画像・文字を送信することが可能になる。

業界関係者は、「モバイルネットワークの時代において、通話・ショートメッセージ・MMS事業の没落は免れず、パケット通信事業が通信キャリアの最も重要な事業となる。NTTドコモの業績は、これを証明している。同社の2011年のパケット通信事業の収入は、モバイルサービス事業の収入の49.75%を占めた」と指摘した。(編集YF)

「人民網日本語版」2013年2月20日


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