ホーム>経済>国際協力
japanese.china.org.cn | 19. 02. 2015

中国企業、米国の「貧困郡」に進出 雇用創出で歓迎

タグ: 中国企業 米国 進出

機械音がうなりを立てる生産ラインに立ったメリンダさんがボタンを押す。こぶしほどの太さの銅管がたちまち、指ほど細い銅管に変わる――。金融危機で4年職に就けなかったというメリンダさんの暮らしは、中国の金竜集団(ゴールデン・ドラゴン)が故郷に銅管工場を設立したおかげで大きく好転し始めている。

「ゴールデン・ドラゴンには本当に感謝している。毎日仕事に来るたびにありがたく思う」。メリンダさんは新華社の記者に語った。

メリンダさんの住むアラバマ州ウィルコックス郡は、40%近くの人が貧困ラインを下回る生活を強いられている。年間世帯年収の中央値は全国平均の半分で、失業率は平均の2倍。郡産業開発庁のジョージ・アルフォード長官によると、1970年代にアパレル工場が転出して以降、大型投資は絶えて久しかった。最大の雇用者の製紙工場の従業員はわずか400人。「最大の輸出品は子ども。ここじゃ仕事が見つからないから」と冗談を言う人もいた。

2014年5月、中国金竜集団が1億ドルを投じて銅管工場を設立するというニュースが同郡に飛び込んだ。2年で300人の従業員を雇うことも約束付きだ。現地の人々はこれを「プロジェクト・ホープ」と呼んでいる。アルフォード長官によると、労働人口が多くない同郡では、金竜のもたらす300人の雇用で失業率は半減する。

金竜の工場を誘致するため、州政府は道路と橋を整備したほか、ほとんど無料で土地を贈与した。税制やエネルギー価格でも大幅な優遇策を取った。金竜の操業開始のニュースは長期にわたってアラバマ州商務局のウェブサイトのトップに掲げられ、ロバート・ベントレー知事の誇るべき企業誘致例となった。

国道43号線のわきにある金竜の工場に入ると、すでに操業中の作業場には銅屑が散らばり、予定の3本の生産ラインのうち2本が操業開始となっている。金竜は南米から原料となる銅を海運で同地に仕入れ、銅管に加工して世界各地に輸出している。

工場には現在、190人余りの米国人が従業員として雇われている。中国人も60人余りいるが、多くは技術翻訳者だ。現場の多くの米国人作業員は中国語の名前を入れた作業帽をかぶっている。

だが金竜米国の張旭輝・総経理の見方は、「海外進出の第一歩は踏み出したが、まだ成功とは言えない」と慎重だ。

数カ月で工場運営の直面している最大の試練は、技術や設備が一緒でも、生産力の重要な要素である人間が替わった場合、管理の発想や方法もこれに応じて変えなければならないということだ。張総経理によると、米国の管理理念には中国が学ぶべき多くのものがある。中国企業は、進んだ理念と技術を学んで中国に伝えなければならない。

張総経理によると、人民元の上昇を受け、中国国内の労働力コストは上昇し、一層の産業グレードアップが課題となっており、資源型製造業大国という中国の優位性は失われつつある。企業は常に、コストが低く市場に有利な方向に歩んでいくものだ。中国が昨年初めて資本の純輸出国に転化したのも、その傾向の表れと言える。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年2月19日

1   2   3   4   次へ  


 

コメント

コメント
名前
最新コメント (0)