米国のトランプ大統領が1月20日に就任してから1カ月が経った。この間、大統領は大なたを振るって改革を進め、約20の大統領令に署名し、その内容は移民、インフラ建設、行政管理、金融規制緩和、税制簡素化などさまざまだ。こうした政策に対し、各国は米国の今後の政策や影響の不確定性を深刻に受け止め、日系企業は方針を決めかねている。「経済参考報」が伝えた。
トランプ大統領はこのほどフロリダ州で支持者集会を開き、トランプ氏ならではのスタイルで「満1カ月」を祝った。世論調査によると、大統領の就任1カ月目の支持率は40%で、新任の大統領の就任1カ月目の支持率としては過去最低を更新し、オバマ前大統領の64%にはるかに及ばなかった。
政権発足からの1カ月間、トランプ大統領は新しい政策を次々に打ち出した。就任からわずか数時間で初めて署名したのは、医療保険制度改革法(オバマケア)の撤廃に向けた大統領令で、同法によって生じる可能性のある財政負担を最大限に削減するとした。この1週間前、米議会は上院、下院ともに圧倒的な大差でオバマケア撤廃に向けた予算決議案を可決している。
その3日後、トランプ大統領は今後は環太平洋経済連携協定(TPP)から永久に離脱するとした大統領に署名し、これによって米国の貿易政策を「新たなステージ」に引き上げる考えを示した。また税制度に関して、「規制に関する法規が大幅に削減され、税負担が大きく減少する」と述べたほか、「米国国外に工場を移転させる企業には重い『国境税』を課す」と強調した。