中国とオーストラリアの経済貿易協力の注目点はと聞けば、鉱産物、ワイン、ロブスター、乳製品を第一印象として挙げる人が多いと思われる。だが李克強総理が24日、オーストラリアのマルコム・ターンブル首相とともに、協力文書8件の調印を見守った様子を見ると、こうした固定観念は「刷新」される。
協力文書の内容は中国・オーストラリア自由貿易協定(FTA)、気候変動、文化、教育など多岐にわたる。最も注目されるのは、50億オーストラリアドル(約4199億円)規模のインフラ建設大型プロジェクトだ。同プロジェクトの協力覚書に調印したのは中国建築工程総公司とオーストラリアのBBIG社。双方は今後、西オーストラリア州での港湾、鉄道インフラ、高品位鉄鉱石資源を埋蔵する鉱山が一体化した大型総合プロジェクトの建設で力を合わせることになった。
これは中国が建築分野でオーストラリア市場に進出した初めてのケースで、中国国内にニュースが伝わると、同公司の株価は急上昇し、一時はストップ高になった。
李総理は24日に中国・オーストラリア経済貿易協力フォーラムで講演した際、「中国とオーストラリアは発展段階が異なり、資源の分布も異なり、産業には高い相互補完性があり、投資協力には大きな可能性がある。双方の協力では『ヒツジの背中にまたがる』、『鉱山の上に立つ』だけでなく、『高速鉄道に乗る』ことも必要だ」と述べた。