▽創作と商業化を平行
こうした状況の中、新たな立て役者として登場した漫画アニメコンテンツ制作会社の麦萌は、業界が資本の冬を迎える中で1億元(1元は約16.6円)を超える融資を獲得し、業界の流れとは逆に日本市場に進出し、人々を大いに驚かせた。麦萌の経験を総括すると、主に2つの点が特筆される。1つは商業化された運営を重視していること、もう1つは日本の漫画市場においてメディアが移り変わる際の空白期間をうまくつかまえたことだ。
現在の漫画アニメ作品の開発それ自体ではそれほど稼げるわけではなく、多くの作品は長い蓄積期を経て大型IPに成長した後、再び川下産業チェーンの開発を通じて利益を達成するというコースをたどらなければならない。同時に、多くの漫画アニメ企業は作品の創作にばかりかまけて、広告会社との協力をおろそかにしてきたため、広告料などのすぐに手に入る収入が極めて少なく、いつ入るかわからない長期的な収入を待つしかない。麦萌はこうした現状を変えようとしている。
麦萌は2016年8月に商業化をスタートし、広告会社との協力を積極的に進め、その年の終わりには営業収入が1700万元に達し、そのうち70%は広告フローからの収入だった。コンテンツ制作会社としては、広告フローからの収入だけでは足りない。創業者の孫于■(品の口が水)氏によると、「麦萌は漫画コンテンツの中でより多くより創意に富みより面白いブランド広告を打っていきたい。今年の重点はネイティブ広告の発展を推進することで、得られた利益は漫画家たちと分配していきたい」という。