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japanese.china.org.cn |16. 08. 2017

中国経済の流れ、最新データで読み解く

タグ: 中国経済 最新データ

中国経済は安定的な運行の流れで、2017年の「後半戦」に入った。14日に発表された中国経済の7月のデータによると、生産の需要が安定成長し、経済の安定しつつ好転に向かう流れが引き継がれた。世界経済が複雑化するなか、安定しつつ好転する中国経済は非常に得難いものであり、世界経済運行の「バラスト」「安定の錨」になっている。

中国経済の柔軟性が向上

図:中国の7月の消費者物価指数、前年同月比で1.4%上昇

図:中国の7月の全国サービス業生産指数、前年同月比で8.3%上昇

最新データによると、7月の工業及びサービス業の生産・投資・消費の需要などのデータは、月間ベースで小幅変動しているが、比較的高い伸び率を維持した。経済運行は依然として、安定しつつ好転の流れを続けている。

中国経済は今年に入り、穏健な流れを続けている。マクロ経済調整の4大目標を見ると、経済成長率、雇用、物価、国際収支はいずれも「安定」の流れを示している。

図:7月の社会消費財小売総額、前年同月比10.4%増の2兆9610億元

 

第2四半期の経済成長率は6.9%を実現し、8四半期連続で6.7−6.9%の区間内で推移しており、成長の安定性が向上を続けている。全国31大都市の都市部調査失業率は7月、引き続き5%を下回った。1−7月の都市部新規就業者数は、前年同期比20万人増の855万人。7月のCPI(消費者物価指数)は前年同月比1.4%上昇、PPI(生産者物価指数)は5.5%上昇し、物価が安定を維持した。貨物貿易が安定しつつ改善に向かい、外貨準備高は7月末時点で6カ月連続増加となった。

国家統計局の毛盛勇報道官は「経済運行は合理的な区間内を維持し、生産の需要が安定成長した。経済の安定しつつ好転、構造調整の深化といった発展の流れがさらに引き継がれた。下半期の中国経済は、安定しつつ好転の流れを続ける」と説明した。

構造調整がさらに深化

供給側構造改革の掘り下げが続き、革新駆動型発展戦略のけん引を受け、中国経済の構造は今年以来、調整と改善が続いている。

需要構造を見ると、3大需要がいずれも成長し、消費が経済成長のメインエンジンになっている。

統計データによると、7月の社会消費財小売総額は前年同月比10.4%増で、前年同月と比べ伸び率が0.2%上昇した。特に消費アップグレード類商品の販売が好調で、スポーツ・娯楽用品が26.6%増、家電・オーディオビジュアル器材が13.1%増となった。消費の需要の経済成長へのけん引力が今年上半期に強化され、寄与度が63.4%に達した。

産業構造を見ると、サービス業の主導的な力がさらに強まり、工業のモデルチェンジとアップグレードが続いている。

7月の全国サービス業生産指数は前年同月比8.3%上昇で、前年同月と比べ伸び率が0.5ポイント上昇した。サービス業は安定的かつ高度な発展を維持している。今年上半期のサービス業付加価値額の国民経済に占める割合は54.1%に達し、第二次産業を14ポイント上回った。同時に産業内のアップグレードの流れが顕著だ。7月のハイテク産業付加価値額の伸び率は12.1%に達し、一定規模以上工業企業の付加価値額の伸び率を5.7ポイント上回った。設備製造業付加価値額は10.7%で、4.3ポイント上回った。

地域構造を見ると、地域連動効果が見え始めている。「一帯一路」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)、北京・天津・河北共同発展、長江経済ベルトの3大戦略が推進され、大きな成果を手にしている。4大地区を見ると、東部地区は好転の流れを強め、中西部地区は発展空間を拡張中で、東北地区にも安定化の兆しが見られる。

穏中求進で課題に対応

今年に入り世界経済の改善が続いているが、回復のバランスが乱れ、構造的な力強い成長が未だ見られない。中国経済は構造問題が依然として際立っており、経済成長の内的動力の不足といった問題が残されている。国内外の矛盾が重なっており、「穏中求進」(安定を保ちつつ経済成長を促す)という取り組みの基調を貫き、発展が直面している課題に適切に対応しなければならない。

中央財経指導チーム弁公室の楊偉民副主任は「穏中求進は何もしない、安定維持に力を入れる、機械的に安定を求めるというわけではない。これは適度を前提とし取り組むことだ」と述べた。

穏中求進は、政策・景況感・自信の安定が必要だ。楊氏は「マクロ政策の連続性と安定性を維持し、積極的な財政政策と穏健な金融政策を実施する。供給側構造改革を主軸とし、全体的な需要を適度に拡大し、景況感のリードを強化する。革新駆動を掘り下げ、経済の安定的かつ健全な発展を保証する」と説明した。

穏中求進は、供給側構造改革の深化を貫かなければならない。毛氏は「経済の安定しつつ好転の流れは、供給側構造改革の深化、重点分野の改革を推進する重要な時期である。中国経済の質・効果の向上とアップグレードを重視するべきだ」と指摘した。

穏中求進は、リスクの防止と解消を重視しなければならない。中央財経指導チーム弁公室経済一局の王志軍局長は「灰色のサイ(予測可能だが誰も措置を講じない脅威)、例えばシャドーバンキング、不動産バブル、国有企業のハイレバレッジ、地方の債務、違法な資金集めなどの問題をめぐり、状況を把握し、重大さと影響の程度を区分し、重点を際立たせることで効果的な措置を講じ、適切に解決しなければならない」と話した。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年8月16日

 

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