中国、浮体式原子力発電所の建設で世界をリードへ=米メディア

中国、浮体式原子力発電所の建設で世界をリードへ=米メディア。

タグ:中国原子力発電所

発信時間:2017-08-22 16:24:30 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 中国は世界の原子力発電分野で世界をリードしようとしている。既存の37基の原子炉の発電量はすでに32.4ギガワットに達したほか、現時点で20基以上の原子炉が建設中だ。米メディアが報じた。


 米ポピュラーサイエンス誌の報道によると、中国は海上浮体式の原子力発電所建設で主導権を握ろうとしている。浮体式原子力発電所は石油掘削プラットフォームや沖合の離島への電力供給が可能で、海岸が被災した場合も救援に行くことができる。浮体式原発は広々とした船体の上に設置されている場合が多く、発電能力は陸上の大型原発の25%程度だ。浮体式原子炉は、すぐに電力を必要としている沿海部や近海(津波の被災地など)などの電力需要に即時対応できる。


 報道によると、中国核能電力股フェン有限公司は中国の造船所と発電機企業と協力し、1.5億米ドル規模のプロジェクトを開発中だ。原子炉メーカーと造船所の提携は、その重点が浮体式原子炉にあることを示す。同プロジェクトは将来的に、砕氷船などをはじめとする原子力機関を動力とする民間船などに拡大する可能性もあるが、現時点では浮体式原子炉が注目されているようだ。中国はこれまで、原子力船の計画を進めてきた。中国広核集団有限公司は2016年1月、浮体式原子炉ACPR50Sの建設計画を発表した。稼働開始は2020年、熱電発電の発電量は200メガワット、発電電力量は60メガワットの予定だ。


 2015年、中国核工業集団公司は英ロイドレジスターと提携協議を結んだ。100メガワット級のACP100型海上浮体式原子炉の開発で協力するというものだが、これは上記の合弁プロジェクトである可能性が高い。

  

 中国国防科工局の副局長兼国家原子力エネルギー機構の副主任である王毅靭氏は、「中国は浮体式原子炉の開発を優先的に検討している」と語る。洋上石油・天然ガス掘削プラットフォームや、沖合の離島にある海水淡水化プラントへの電力供給の利便性を高めたい考えだ。


 また、浮体式原子炉は中国の海底採鉱作業や海軍の海上後方勤務基地への電力供給もできると報じられた。


 原子炉を船上に設置し、沖合の離島や海上施設、沿海部に電力を供給するのは目新しいことではない。米国陸軍は1967年に世界初の浮体式原子炉「スタージス号」MH-1Aを建造した。「スタージス号」MH-1Aは1968年から1975年にかけて、パナマ運河で電力を供給し、1977年に廃船となった。その数十年後、ロシアは2010年に2.1万トン70メガワット級の浮体式原子力発電所「アカデミック・ロモノーソフ号」の建設に着手。2018-2019年にカムチャツカ半島のilyuchinskaya湾に配備される見通しだ。


 「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年8月22日


  


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