中国が自主開発したバイオ航空燃料を注入した航空機が22日未明、米シカゴに無事着陸した。驚くべきことに、このバイオ航空燃料は廃食用油、つまり「地溝油」を原材料としている。
中国のバイオ航空燃料、大洋をまたぐ商業有人飛行を初実施
中国のバイオ航空燃料にとって、大洋をまたぐ商業有人飛行はこれが初だ。
中国石油化工集団(中国石化)1号バイオ航空燃料を注入した海南航空ボーイング787機が、北京時間21日午後2時15分に北京首都国際空港を離陸した。乗客186人と客室乗務員15人を乗せ、11時間41分の飛行を経て22日未明(北京時間2時11分)に、米シカゴ・オヘア国際空港に無事着陸した。
機長の孫剣鋒氏は「飛行全体が非常に安定的かつスムーズだった。最高飛行高度は4万1000フィートに達した。エンジンと燃料のコンディションが良かった。今回の検証飛行の目的を完全に達成した」と語った。
炭素排出量を効果的に削減
バイオ航空燃料は再生可能資源を原材料とする。主にヤシ油やパームオイルなどを用い、さらには動物性脂肪や食卓の廃食用油、つまり「地溝油」が含まれる。
今回用いられた燃料は廃食用油を原材料とし、15:85の割合で通常航空燃料と調合したものだ。
バイオ航空燃料を使うことで、航空機は従来の飛行安全と効率を維持した上で、炭素排出量を効果的に削減できる。
二酸化炭素排出量を年間3300万トン削減
統計データによると、従来の航空燃料1トンは燃焼後、3.2トンの二酸化炭素を排出する。中国の航空燃料消費量は現在約3000万トンで、これをすべてバイオ航空燃料に取り替えれた場合、1トンあたり少なくとも30%削減できるとすると、二酸化炭素の排出量を年間約3300万トン減らすことができる。これは3億本の植林効果、経済的セダン2000万台弱の1年間の排出量に相当する。
中国民用航空局発展計画司の吉原副司長によると、民間航空が生産拡大を続けさらに排出削減の目標を達成するためには、バイオ燃料が非常に有効な手段となる。
世界4カ国のみが同技術を把握
中国は2006年より、バイオ航空燃料の開発を開始した。すでに米国、フランス、フィンランドに続き、バイオ航空燃料を自主開発・生産する技術を持つ4番目の国になっている。
中国石化傘下の鎮海煉化は2011年に、生産基地でアジア初となるバイオ航空燃料工業模範装置を建設した。バイオ航空燃料の生産能力は年間10万トンで、北京からニューヨークまで200-300回飛べる量に達している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年11月23日