被害者という米国こそグローバル化の最大の受益者

被害者という米国こそグローバル化の最大の受益者。

タグ:世界貿易

発信時間:2018-04-12 17:18:43 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

このところ米国は中米間の貿易不均衡を理由として、中国に対する貿易制限を発動している。トランプ大統領は「米国は被害者」と述べ、世界貿易機関(WTO)のルールは米国に不利であり、WTOは中国に荷担し、米国に対して平等でないなどと批判している。「北京日報」が伝えた。(文:李計広・対外経済貿易大学国際経済研究院教授)

米国の貿易赤字問題については、国内・海外の学術界で多くの研究がなされており、比較的一致した結論は、「貿易赤字には4つの原因がある」というものだ。米ドルが国際的な準備通貨であるという特殊性、米国の高消費・低貯蓄モデル、グローバルバリューチェーンの分業、米国のハイテク技術の対中輸出規制の4点だ。よって中米貿易の不均衡の責任は中国にあるのではなく、米国自身にある。いわゆる赤字とは、トランプ大統領が対中貿易摩擦を引き起こすための口実に過ぎず、「WTOが中国に荷担している」との見方にはいささかも根拠がないといえる。

WTOの推進の下、経済グローバル化が深いレベルで発展を遂げ、中国も米国も大きな利益を得てきた。米国の利益が中国よりも多いことは確実で、それは主にルールをめぐる利益と経済貿易をめぐる利益の2点に表れている。

ルールをめぐる利益ということでは、ルールの制定者が最大の受益者になることが多い。第二次世界大戦以降、米国は多国間貿易体制の主導者であり、米国に有利な多くの経済貿易ルールが実施されるよう後押ししてきた。現在のWTOルールはウルグアイ・ラウンドで締結されたものであり、その交渉の過程で、米国は、「サービス貿易に関する一般協定」(GATS)や「知的所有権の貿易関連の側面に関する協定」(TRIPS協定)などの米国の優位性に合致したルールを多国間貿易システムに組み込み、発展途上国に有利になる各種ルールをなおざりにしてきた。中国はWTOの新メンバーであり、WTOルールを受け入れる者だ。中国はWTO加盟交渉において、権利と義務の均衡が取れた全体的な原則について合意した。中国はWTO加盟後、WTOルールの交渉に積極的に参加したが、ルール制定をめぐる米国の主導権に挑戦を挑んだことはない。つまりルールをめぐる利益ということでは、米国が今なお主導的な立場にある。

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