中国の「債券通」開始から約1年、外資の参入意欲が高まる

中国の「債券通」開始から約1年、外資の参入意欲が高まる。

タグ:中国債券市場

発信時間:2018-06-29 13:58:27 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 2017年7月3日に中国の「債券通」が試験運営を始めた。それから約1年、「債券通(香港と大陸部の債券相互取引)」を通じて債券市場への参与を図る外資の意欲が次第に高まっている。また、外資の参与度が強まったことで債券市場の構造が多様化し、金融リスクの分散や債券市場の広がりと深まりにつながった。業界関係者は、市場環境の整備に伴い、より多くの資金が中国市場に参入を図るとの見方を示す。

 

 「われわれの感覚だと、「債券通」開始後に外資の参与が明らかに増え、特に国債など比較的低リスクの利付債で外資の参与率が高い。実際の取引においても、取引相手が「債券通」を通じて参与しているケースが増えている。上半期に当社は、外資の配分について最も多く言及した」。債券市場ベテランの張嘉氏は『中国証券報』記者にこう話した。

 

 張嘉氏は、外資が現在、主に国債などに集中していると指摘。「外資は地方債や信用債などにも注目しているが、現在のデータや取引の実情をみるとまだ目立っておらず、市場の育成には一定の時間がかかるだろう」と話す。別の著名資産管理機関固定収益投資責任者も、国債に対する外資の興味が上がっているとの見方を示した。


 香港投資基金公会主席の黄王慈明氏は、同会会員企業の多くが前向きに準備を進め、中国本土銀行間取引債券市場への早期参与を望んでいると説明。「国際的な債券指数会社が中国債券市場を主要グローバル指数に採用すれば、中国債券市場がグローバルポートフォリオのなかで独立した資産カテゴリーとなり、グローバル資産配分において不可欠なものになる」との見方を示している。

 

 大手証券会社資産管理部門責任者はデータをもとに、「債券通」の開始から1年近くで、国外機関投資家の市場参入件数と取引規模が安定的に拡大し、現時点で外国投資家が本土人民元建て債券の4割近くを「債券通」を通じて買い増したと分析した。

 

 最新データによると、今年5月末の「債券通」取引額は累計663億9千万元と、前月末に比べ6.84%増加。同月の取引件数は556件、1日当たり取引額は30億元に上った。今年に入ってから「債券通」取引は比較的速い伸びをみせ、1-5月の取引額は2911億1千元、取引件数は2515件、1日当たり取引額は28億3千万元となった。2018年5月末時点で、計315社の国外機関が「債券通」を通じ、銀行間債券市場に参入している。


 市場環境の整備に伴い、中国債券市場の対外的魅力は一層向上した。黄王慈明氏は、「債券通」の開通について、バークレイズグローバル総合指数やJPモルガンソブリン債指数-グローバル新興市場マルチ指数、シティグループ世界ソブリン債指数などグローバル債券市場の主流指数による中国債券市場の採用につながるとの見方を示す。こうした指数が中国を採用すれば、中国債券市場に数千億米ドルの資金流入が期待できるとしている。


 「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年6月29日


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