脱レバレッジの効果現れる 中国の金融はより安定

脱レバレッジの効果現れる 中国の金融はより安定。

タグ:金融 中国 安定

発信時間:2018-07-01 09:00:00 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 中国人民銀行はこのほど、『中国区域金融運行報告(2018)』を発表した。報告によると、2017年の中国各地の金融運行は安定し、金融業のサービス実体経済への貢献拡大、信用貸付構造の合理化、脱レバレッジ効果、対外開放の深化などの特徴が現れた。

 

零細・農業分野を大々的に支援

 

 2017年、中国の国内総生産は前年比6.9%増加し、民間投資が回復し、産業アップグレードが加速化し、「一帯一路」「北京・天津・華北共同発展」「長江経済ベルト建設」の3大戦略地域投資が協調的に推進された。これらの安定した成果は、各地の信用貸付と密接に関わっている。

 

 報告によると、2017年の地域の社会融資規模は安定して増加し、信用貸付の配分効率はより向上した。2017年末時点の全国社会融資総量残高は174兆6000億元で、前年比12%増、増加額は19兆4000億元で前年より1兆6000億元増加した。

 

 信用貸付政策の構造合理化の効果が現れた。1つ目は、零細・農業分野への貸付が急増。東部と西部の零細企業の貸付残高はそれぞれ14.3%と24.0%増加し、増加幅は前年比2.6ポイントと1.6ポイント回復した。東部と中部の農業分野貸付残高は前年比それぞれ7.2%と14.8%増加し、増加幅は5.0ポイントと2.3ポイント上昇。2つ目は、生産能力過剰業界の中長期貸付残高が前年比1.7%減少。3つ目は、不動産ローンの増加が鈍化。東部、中部、西部の不動産ローン残高増加幅は前年比でそれぞれ9.9ポイント、5.7ポイント、2.9ポイント縮小し、東北地区の増加幅は低水準でやや上昇した。

 

 武漢科技大学金融証券研究所の董登新所長は記者に対し、「金融の零細・農業分野への支援が目立つ。これは政策が構造合理化に重点を置き、金融リスク防止と実体経済の結合も表している。中でもファイナンシャル・インクルージョンの発展に注目したい。サービスモデルの転換を通して末端の農村とコミュニティにも金融サービスを提供し、これは過去になかった金融の形だ」と述べた。



金融の脱レバレッジ効果が現れる

 

 四川省は金融約束履行リスト企業評価活動を実施し、湖北省は金融分野の違約問題に関する特別管理、金融案件「ハリケーン行動」、「返済延滞」取り締まりを行なった。2017年、各地は金融生態環境の建設に重視。金融の厳格な管理政策のもとで、金融体系内部に脱レバレッジ効果が現れ、金融機関の経営がより安定した。

 

 2017年、東部、中部、西部、東北地区の銀行業総資産の増加幅は前年比でそれぞれ0.4ポイント、5.2ポイント、2.7ポイント、10.4ポイント低下。また、銀行のコンプライアンス経営意識が高まり、経営行為はより理性的になり、東部、中部、東北地区の地方法人銀行機関の自己資本比率はそれぞれ0.3ポイント、2.2ポイント、0.2ポイント上昇した。報告は、「資金が金融体系内部で循環し、多重ネストの状況が大幅に減少し、多くの資金が実体経済に流れた」とした。

 

 また、銀行資産の質の低下圧力も緩和された。2017年末、全国商業銀行の不良債権比率は前年比横ばいの1.74%だった。うち、中部と東部の銀行資産の質は向上し、不良債権比率はそれぞれ0.27ポイントと0.12ポイント低下。潜在的な信用貸付リスク圧力も緩和され、東部、中部、西部の注目類貸付比率はそれぞれ0.89ポイント、1.23ポイント、1.03ポイント低下した。

 

 董登新氏は、金融規範の大背景のもと、脱レバレッジは全業界をカバーし、著しい効果をあげたと話す。銀行内外業務の規範、最近打ち出された資産管理規定など、厳格な監督管理が行われた。2017年の広義マネーサプライ(M2)伸び率が大幅に縮小しタコとも、金融政策が安定し脱レバレッジが進んだためである。



対外開放の安定した深化

 

 厳格な監督管理だけでなく、金融の対外開放も深化した。

 

 クロスボーダー人民元業務が安定して発展し、2017年の全国のクロスボーダー人民元受領支払額は9兆2000億元に達し、各地は人民元のクロスボーダー貿易投資を積極的に推し進めた。例えば、新疆は人民元とカザフスタン・テンゲ、パキスタン・ルピー、タジキスタン・ソモニの直接取引を実現した。

 

 自由貿易区の金融改革も深化。例えば、遼寧、湖北、四川、陝西、重慶、浙江などの地域は試行の経験を踏まえ、ロスボーダー電子取引、インテリジェント製造、融資・賃貸などの発展を積極的に模索。広東自由貿易試験区は企業に「利率交換+オプション組み合わせ+差額清算業務」の金融派生サービスを行い、海外進出をはかる企業の対外融資のリスクヘッジニーズを満たした。

 

 報告は、金融分野には依然として深い問題があり、重大リスク防止の任務において困難があるとした。将来、中国人民銀行はサービス実体経済、金融リスク防止、金融改革深化の3つの業務にとりくみ、安定した金融政策を実施し、合理的な流動性を維持し、サプライサイド構造性改革と質の高い発展に良好な金融環境を形成する。

 

 董登新氏は、「金融政策は複数の総合的結果である。以前の脱レバレッジとリスク防止、サービス実体経済への配慮において、国家金融政策は多くの作業を実施した。しかし、全体的に言って、金融の最大のリスクは実体経済から離脱し仮想経済へ転換することである。将来、金融はサービスを実体経済の根本に戻し、実体経済の発展とイノベーションを重点にする必要がある」と話した。


「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年7月1日



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