後発の優位性を活かし「最後の市場」との相互補完関係構築を

後発の優位性を活かし「最後の市場」との相互補完関係構築を。

タグ:中国アフリカ協力フォーラム北京サミット 高見澤学

発信時間:2018-09-06 10:00:00 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


日中経済協会

調査部長 高見澤学

 

 今年に入り、世界経済は安定的な成長を続け、引き続き堅調な発展が見込まれている。しかし、最近の米国の各国に対する一方的な貿易措置の発動は、各国との間で貿易摩擦を生じさせており、地政学リスク等の政治的問題と共に、世界経済への影響が懸念されるところである。こうしたなか、中国がアフリカとの間で緊密な関係構築のための「中国アフリカ協力フォーラム北京サミット」を開催することは、中国のアフリカに対する期待や、世界におけるアフリカの影響力の大きさを示したものであると言えよう。

 

 アフリカの面積は3,020万平方キロメートルと世界の陸地の20%余りを占め、独立した国の数は島嶼も含め54カ国、人口は既に12億人を超えて世界の約6分の1を占めている。国連の推計によると、2050年には倍増して25億人に達し、世界全体の4分の1を占めるようになると見込まれている。また、国際通貨基金(IMF)の統計によると、2017年の経済成長率では、アフリカ地域からは第1位のリビア、第2位のエチオピアを含め5カ国がトップ10入りしている。このようにアフリカの将来の潜在力に対する世界からの期待も高まってきている。

 

 最近、日本でもアフリカは「最後の市場」、「最後のフロンティア」などと称され、アフリカ全土に眠る豊富な資源や市場としての潜在力などに対する経済的な重要性が指摘されている。量的拡大による経済発展の可能性を秘めている地域として、アフリカが最も注目されるのは当然のことであろう。こうした経済発展を誘発するには、如何なる分野においても先ず開発資金と先進技術が必要であり、先ずは海外の先進国から資金と技術の提供を受けることが不可欠となる。現在の中国の経済発展は、改革開放によって実現したものであり、当初は外資企業による投資と技術提供に依るところが大きかった。こうした中国の従来型の経済発展モデルは、今後のアフリカ諸国の発展に大いに参考になるだろう。

 

 また、発展途上国は、経済・社会発展を遂げる際に、「後発」の優位性を活かすことができる強みがある。発展途上国においては、都市病の解決や生態・環境問題への対応等、過去の先進国の経験や教訓等を参考に更に次元の高い発展へと進むことができる。そして、中国が今まさに経験しているように、情報通信技術の発展や各分野での技術革新等の新たな科学技術の進歩に伴う経済・社会の変化を前提とした生産活動や社会生活へと一足飛びに進展する可能性も十分に考えられる。中国において、有線の固定電話が全国に普及する前に、無線の携帯電話が一気に広がったことがその好例である。

 

 中国とアフリカは、双方が今まさにWin-Winの相互補完が成り立つ関係にあり、それが実現すれば世界経済の発展に大きく貢献することにもなろう。中国とアフリカの実効性のある関係構築に期待したい。


「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年9月6日

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