中国証券登記結算有限公司(中国結算公司)の通知によると、中国国内で働く外国人は15日からA株(人民元建て株式)証券口座の開設申請が可能となった。つまり、口座開設要件をクリアした第1陣の外国人はきょう17日からA株取引が可能となった。
これまでに次の3点に該当する外国人は、直接A株証券口座を開設することが認められていた。
1、中国版グリーンカードである「外国人永住居留身分証」を取得した外国人。
2、中国国内で法に基づき設立された外商投資股フェン有限公司(外資系株式会社)で、かつA株に上場する企業で働く外国人。
3、A株上場企業のうち中国国内で働く、ストック・インセンティブ制度に加入している外国籍の従業員。
これをベースに、中国証券監督管理委員会(証監会)は先月15日、『「証券証券登記結算管理弁法」の改正に関する決定』と『「上場企業ストックインセンティブ管理弁法」の改正に関する決定』を発表し、規定に適合する外国人にA株証券口座開設の開放を一段と拡大するとした。
中国結算公司は同日、証監会の承認を得て、『条件に適合する外国籍従業員のA株証券口座開設に関する事項の通知』を発表し、次の2点に該当する外国人もA株証券口座を開設することができると明らかにした。
1、中国国内で働く外国籍の従業員。
2、中国国内の上場企業のうち、ストック・インセンティブ制度に加入し、国外で働く外国籍の従業員。
では、外国人の口座開設規制を一段と緩和したことは、A株市場にどのような影響をもたらすであろうか?業界関係者の間では、今回の規制緩和により、国内資本市場ではこれまで以上に投資家の多様化や資金流入ルートの拡大、市場構造の最適化が進むとする見方が広がっている。
中国の証券大手、銀河証券の劉鋒チーフエコノミストは中国新聞網(ウィーチャット(微信)の公式アカウント:cns2012)の取材に対し、「A株市場への外国人投資家の呼び込みは対外開放政策の一部であり、長期的な効果を見込んだものだ」と指摘。今のところA株市場に参加できる外国人の数は限られており、A株市場が抱える問題点を短期間で解決することは不可能だとしながらも、外国人投資家を呼び込むことで、A株市場の国際化に弾みがつくほか、一部の実績のある投資家や海外資金を呼び込むことで、理論上、国内上場企業に対し、より客観的に企業価値評価を行えるようになると述べた。
交通銀行系の資産運用会社、交銀施羅徳基金の馬韜チーフストラテジーも「今回の規制緩和は、専門性の高い外国籍の人材が中国国内で働いたり、創業したり、中国経済に深く関わったりするのを促すため、一部の上場企業やストック・インセンティブ制度において国籍に起因する代理保有などのグレーゾーン問題の解消につながるだろう」としている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年9月17日