国務院新聞弁公室はこのほど「中米経済貿易摩擦に関する事実と中国の立場」白書を発表した。日本において有名な経済学者で福井県立大学名誉教授の在日中国人・凌星光氏は白書について、「中国には道理もあり、根拠もあり、節度も備えており、多国間貿易体制を守ろうとする決意と意思は明らかだ」とコメントした。中国新聞社が伝えた。
凌氏は、「この白書は事実を列挙し、道理を説くもので、大量の事実とデータによって中米経済貿易関係の基本的状況を全面的に紹介し、中米経済貿易の健全な発展の利益と米国が保護貿易主義と貿易覇権主義を推し進めることの長期的な弊害を説明し、中米貿易摩擦における中国の立場を明らかにし、国家の利益と多国間貿易体制を守ろうとする固い決意を表明したものだ」と述べた。
凌氏は、「経済のグローバル化の流れは止められるものではなく、世界の圧倒的多数の国が自由貿易と多国間主義を擁護している。正義は人々の心の中にあり、トランプ政権が推進する一国主義と保護貿易主義は人心を得ることはできず、必ず失敗に終わるだろう。白書の発表はあらためて米国に警鐘を鳴らしたものだといえる」と強調した。
凌氏は米国が強調してきたいわゆる「公平取引」については、「公平とは相対的なもので、絶対的なものではない。強者が弱者に適切な配慮をしなければ、道義や公平を体現することはできない。これまで、中国は世界貿易機関(WTO)のルールに基づき、一連の優遇条件を享受してきた。今や、中国は急速に発展し、特に一部の分野では飛躍的な進歩を遂げ、開放の拡大、輸入の関税引き下げなどの面で非常に大きな努力を続けてもいる。だが現在の中国はいまだに発展途上国であるという現実は変わらず、一人あたり平均の発展水準が低いという現実も変わらない。米国が絶対的で対等なやり方をひたすら追求するのは、まさしくWTOの公平のルールに背くものだ」と述べた。