全面的な開放拡大で、中国資本市場の影響力が急上昇

全面的な開放拡大で、中国資本市場の影響力が急上昇。

タグ:中国資本市場

発信時間:2018-10-31 14:27:26 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 中国証券監督管理委員会(証監会)の劉士余主席と日本の遠藤俊英金融庁長官は先ごろ北京で、『中国証券監督管理委員会と日本金融庁による両国証券市場の協力促進に関する了解覚書』を交わした。これにあわせて両国の取引所と業界団体も協力強化に関する覚書を交わした。

 

 業界関係者は本紙の取材に対し、「中国資本市場は対外開放に向けた歩みを加速させており、世界的な影響力が急速に上昇しているが、これは市場が発展を促進する上で必然的に求められるものであり、市場が成熟化に向かう上でも、資本市場が質の高い経済発展を力強く支える上で必要なものだ」と述べた。

 

 上海とロンドン市場間の株式相互取引制度「滬倫通」はその1つでもあり、年内にも開通する見通しだ。上海証券取引所の関係者はこれに付いて次のように述べた。

 

 「「滬倫通」は中国資本市場の双方向の開放を拡大する上で有利に働く。国内市場の深さが増し国際化レベルが向上することで、国内証券機関による国境を越えた証券業務の展開と証券業界の国際競争力の向上が促進されるだろう。


 両市場の発行者と投資家が相手方の市場へ参入し、投融資を行う際の利便性の向上や機会の拡大につながると期待される。国内居住者は中国本土市場で海外の金融商品に投資できるようになり、A株上場企業は海外市場から資金を呼び込みやすくなるほか、実体経済における国境を越えた融資やM&A(合併・買収)をサポートするだろう。ただ、市場の相互接続は資本市場の対外開放のうちの1つでしかない」

 

 「走出去」(中国企業による海外展開や投資)にも同じく大きな進展がみられる。白物家電大手、海爾集団(ハイアール)傘下の青島海爾は24日、独フランクフルトにある中国欧州国際取引所(CEINEX、中欧所)に上場した。同社は欧州資本市場への進出成功に伴い、中欧所に人民元建て株式(D株)を上場させ、中国の欧州におけるオフショアブルーチップ市場の開設という初の偉業を成し遂げた。

 

 中欧所の陳晗Co-CEO(共同経営責任者)は取材に対し、「青島海爾による初のD株発行は、中国の優良企業が欧州資本市場に進出する新たな幕開けとなったほか、世界の金融商品仲介業者に対し協力強化に向けた新たな場を設けることにもなった」と述べた。


 国家外貨管理局は今年2月、適格海外機関投資家(QFII)の投資枠の上限を引き上げるとともに、資金の流出入規制を一段と緩和し、投資元金のロックアップ期間に関する規制も撤廃、オープン型投資信託(オープンファンド)の1日ごとの購入・解約も認めた。


 5月1日からは、上海・深圳と香港市場間の株式相互取引制度「滬港通」と「深港通」の1日あたりの投資限度額をそれぞれ130億元から520億元に引き上げたほか、本土市場からの香港株取引「港股通」の1日あたりの投資限度額を105億元から420億元に引き上げた。

 

 業界関係者はこうした一連の取り組みについて、中国資本市場の対外開放に向けた重要な取り組みになるというだけでなく、改革推進に向けた重要な表れでもあると指摘する。改革は内に向けたもので開放は外に向けたものというように、両者は目指す方向性は異なるものの有機的な統一体となっている。

 

 また、資本市場にとっては、如何にして健全な発展を促進し、供給側の構造改革と質の高い経済発展に向けてより良いサポートができるか、如何にしてイノベーション主導による国の成長戦略を支えられるかが重要な課題となっている。


 「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年10月31日


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