中日の第三国市場協力に関するテーマの取材を受ける林勇氏
2018年10月、第1回中日第三国市場協力フォーラムが北京で開かれ、中国の李克強国務院総理、日本の安倍晋三首相が共に出席した。両国の第三国市場における協力の未来図はどのようなものなのか。第13期全国人民代表大会代表で中国民主建国会広東省委員会副主任委員・華南師範大学経済管理学院教授の林勇氏が、本誌記者の取材に応じて分析を行ってくれた。
林代表はまず、近年、保護貿易主義が台頭し、今までの国際貿易ルールが厳しい挑戦にさらされており、こうした変化は日本にとって良い所は何ひとつとしてないと指摘した。彼は、「日本は先進的技術と優れた製品を持っていますが、国内市場には限りがあって、その経済は大いに外部市場、国際貿易に依存しています。日本として、米国の一国主義の足取りに従えば、その市場開拓でも技術輸出でも阻害を受けることになります。さらに、米国は日本に長期的な対米貿易黒字を許しておくことはないでしょう。これらはすべて日本の経済利益を損ねるものです。また別の面では、中国は国際的な経済的影響力がどんどん大きくなっていて、ますます多くの国が中国の経済発展の利益にあずかろうとしています。もし中国市場を顧みないとすれば、日本にとって極めて不利益となります。中国の経済発展は日本にとって実際には助力を提供するものです。日本政府はすでにこの点に気付いています」と語る。
こうした背景の中、林代表は以下のように分析する。「中日両国が第三国市場で協力をすることは、双方の利益に合致します。日本は工業製造の面で中国が学ぶに値する多くの先端技術を持っています。しかしその未来図はさらに、中日の二国間関係と中米日の三国間関係の行方にも左右されます。中日関係は多くの要素の影響を受け、極めて複雑で入り組んでいます。米国が中国をけん制する戦略は短期間内に変わることはないでしょう。日本は中国の強さを見てとっていますが、中国に対しやはり警戒心を抱き、米国と共に歩むことを完全に止めることはないでしょう。1970年代には日本は米国に先んじて中国との国交正常化を果たしました。80年代、鄧小平氏は日本を訪問し、改革開放に有利となる多くの先進的経験を持ち帰り、中国の発展を促進しました。日本もまた中国の改革開放の中で極めて大きなメリットを手にしています。日本政府が長期的な視野と高所から遠望した認識を持ち続け、中国と共に第三国市場における協力を行い、両国の経済貿易関係の発展の新たな空間を切り開いていくことを望みます」。
人民中国インターネット版 2019年3月9日