スマホを取り出す必要も、確認コードを入力する必要もなく、顔をスキャンするだけで、宅配便ボックスから荷物を取り出せる時代がやってきた。経済日報が伝えた。
阿里巴巴(アリババ)傘下の物流会社・菜鳥網絡はこのほど、中国国内にあるカメラが搭載されている同社のすべてのスマート宅配便ボックスで「顔認証システム」が利用できるようになったことを発表した。利用者は宅配便ボックスで同システムを選択すれば、「顔認証による荷物の受け取り」という機能を使えるようになる。この機能が全面的に採用されることによって、業界関係者からは「無人物流の最後のピースが埋まった」との声が上がっている。
「顔認証による荷物の受け取り」が実現したのは、顔認証における技術的なブレークスルーが得られたからだ。「阿里安全図霊実験室」の専門家である覚奥氏は、「現在、宅配便ボックスのほとんどは中国全土の各団地に設置されているが、顔認証システムの導入にあたり、克服しなければならない室内外環境は非常に複雑だ。地下の場合、暗かったり、室外でも日中と夜では明るさが大きく異なり、太陽の光でも、電気の光でも逆光や影が問題となる。その他、宅配便ボックスのカメラを固定の位置に設置すると、利用者の背の高さによって、認識する際の顔の角度が異なるという問題が生じる。それらの課題を克服するにはハイレベルの顔認証システム技術が必要となる」と率直に述べた。
しかし、利用者が最も関心を寄せているのは、「顔認証システム」の安全性だ。
その点に関し、菜鳥驛駅スマート宅配便ボックスのシニアエンジニア・趙徳山氏は、「今回の試験的な導入で、宅配便ボックスの顔認証機能が100万回以上利用され、技術のアップグレードが何度も実施された。現時点で、誤認証によるトラブルはまだ起きていない。『顔認証による荷物の受け取り』の背後には、密接なかかわりを持つ身分認証のプロセスが必要で、バックグラウンドでも、比較や生体認証が繰り返し行われる。本人の写真や動画を使っても、認証することはできない。美容整形などによって、容姿が大きく変わった場合は、スマート宅配便ボックスを通して顔写真を更新し、『顔認証による荷物の受け取り』を利用することができる」と紹介した。(編集KN)
「人民網日本語版」2019年3月23日