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japanese.china.org.cn |29. 12. 2019

2019年消費の見どころ 人気キャスターによる中継販売

タグ: 人気キャスター 中継販売

    1本のマイク、1台のカメラ、1台のパソコンはこれまでなかった買い物体験を作り出した。李佳琦さんや薇婭さんらネットで人気のキャスターの努力のもと、中継販売は2019年に飛躍を遂げた。

 

 2019年は「中継EC元年」と言われ、各大手ECサイトは中継販売を開始し、注目を集めた。今年の中継販売の人気ぶりはデータにも表れている。淘宝網が発表したデータによると、淘宝の「双12」(12月12日)当日、7万回以上の中継がもたらした取引額は前年同期比160%増加した。また、その1カ月前の「双11」(11月11日)、淘宝中継による取引額は約200億元で、うち「億元規模中継」は10回、「1000万元規模中継」は100回に上り、向こう3年で淘宝中継がもたらす取引額は5000億元規模になる見通し、

 

 巨大な数字の裏には無数のユーザーの新たなトレンドがある。中継販売は新たなマーケティング手法およびEC販売形式の勢いある発展要素となり、消費者の習慣を大きく変え、新しい消費文化になっている。中でも、5G時代の到来に伴い、中継コンテンツの充実化と多様化が進み、中継ECがより今後も広い産業市場を動かすことは間違いない。

 

李佳琦さんらに中継販売ができる理由

 

 12月12日夜7時、仕事を終えた上海市の働く女性、高さんは携帯電話を持ち、李佳琦さんの「双12」中継を待っていた。7時30分にスタートする中継の前に、李佳琦さんはウェイボーで準備をした。

 

 「OMG、買い!」、「3、2、1、ページオープン!」など、李佳琦さんの代表的な言葉を聞きながら、高さんはフェイスパック、シャンプー、菓子などをつい注文していた。関連のリプレーデータによると、4時間に及ぶこの中継の再生回数は1771万3000回に達するが、これは李佳琦さんの最高記録ではない。今年の「双11」当日の中継で、李佳琦さんの中継室は再生回数2400万回を突破し、保守的に見積もっても取引額は10億元を超えた。

 

 高さんは、「最初は好奇心で中継を見てみたのだが、他の店にない割引があったり、普段よく購入するブランドの商品も購入できるとは思っていなかった。キャスターらの次々と飛び出す言葉は消費者の購入意欲をかき立てやすく、自分も中継を通して確かに得をした」と話す。

 

 多くの消費者が、「高品質低価格」という点が中継購入をやめられない大きな理由だとしている。李佳琦さんのチームは従来の「バイヤーチーム」のようなもので、商品選び、販売個数の予想、仕入れ、在庫管理、中継販売、発送を担当する。テレビショッピングと違うのは、李佳琦さんのチームは運営において、ブランド側の機嫌を取るだけでなく、ファンの維持の保証に重点を置いている。そのため、薇婭さんも李佳琦さんも、中継中に販売する商品がサイト最安値だと強調し、最大の利益をファンに還元する。

 

 中継において、李佳琦さんらキャスターは一部の商品に「ノー」と言い、「ツッコミ」を通してファンとの距離を縮め、信頼を構築している。

 

 ある専門家は、ユーザーが中継を見るのは「爆買い」するためだけではなく、暇を潰し、中継販売の新鮮さと刺激も味わっていると分析する。そのほか、中継開始時間は通常夜8時前後で、この時間帯はターゲットとなる働く女性の多くが仕事を終えて帰宅し、時間がある。携帯電話でコンテンツの充実した中継購入を見ることは、一種のストレス発散方法になっている。

 

 そのため、多くのキャスターが商品を紹介すると同時に、中継コンテンツの娯楽性とインタラクティブ性にも配慮している。例を挙げると、キャスターらは人気スターを中継室に招き、ファンからのコメントに答え、ファンの要求通りに商品を試すなどする。

 

 上海大学悉尼工商学院の陳躍剛准教授は、ファン、中継サイト、商品供給プラットフォームは中継販売産業の生態チェーンの重要な部分だと考える。キャスターはファンとの信頼を通して購入意欲をかき立て、最終的に人気を獲得する。


「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年12月29日