2020年下半期に入り、世界経済が新型コロナウイルスによる肺炎の影響でマイナス成長に沈む中、中国は生産や業務、市場の再開を加速させ、国内総生産(GDP)は第1四半期の前年同期比マイナス6.8%から第2四半期のプラス3.2%となり、中国経済の強靭さと活力をより顕著に示している。
現在、全国各地の学校はすでに夏休みに入り、若者層による「夏休み経済」も正式に幕を開いた。近年、学生たちの消費が力強さを増すにつれ、夏休みはさまざまな業者にとって稼ぎ時となっており、今年はとりわけ期待されている。
政策支援によって回復が見込まれる夏休み中の観光業
例年、夏休みといえば観光シーズンであり、多くの保護者は子供を連れて旅行に出かけ、リラックスしたり見聞を広めたりするのが常だった。今年の夏は感染症対策の常態化が進められる中で、観光業にも変化が起きている。
7月14日、中国文化・観光部は省(自治区・直轄市)を跨いだ団体旅行や「航空券+ホテル」の販売業務再開を許可し、景勝地の入場者数を最大キャパシティーの50%にまで引き上げるとの通知を発表した。その後、旅行サイトの携程ではリゾート旅行やホテル、航空券などの検索回数が飛躍的に増加し、国内のツアー旅行、個人旅行の検索回数は発表前と比べて500%増と急激に伸び、親子旅行や家族旅行も増加傾向が見られた。
実際、この政策が打ち出される前に携程が行った調査では、82.6%の回答者が今年下半期に旅行をしたいと考えているという結果が出ていた。旅行時期に関しては回答者の43.1%が7月、42.6%が8月を選んでおり、これはまさしく夏休み期間と重なる。
業者によるPRイベントも、人々の夏休み期間中の旅行意欲をかきたてている。夏休みを迎え、山東省、四川省、江蘇省などの多くの景勝地と宿泊施設は今年の高校・大学受験生を対象とするキャンペーンを打ち出している。また、多くの航空会社とチケット発売プラットフォームは格安路線を販売し、中国東方航空や海南航空などは低価格で回数制限のない「飛び放題」プランも売り出している。
天津自然博物館で記念写真を撮る子供たち(写真=新華社提供)
夏休み前から事業展開を進めてきた教育業界
夏休みは学生たちが前学期に学んだことを復習し、来学期に向けて準備をするには格好の時期であり、趣味に打ち込み、さまざまな特技を身につける良い機会でもある。もちろん、ここにもビジネスチャンスが存在する。
春学期、中国各地の教育部門や学校、学習塾などはインターネットを使ってさまざまな形態のクラウド授業を行い、オンライン教育業界は困難の中で成長を実現した。その流れに乗り、オンライン教育機関は今年4月には早くも夏休み期間中の生徒募集を始め、あちこちで見かける広告に加え、低価格な体験レッスンや知人紹介キャンペーンなどで大勢の保護者と学生を集めた。