海南省三亜市の免税店で商品を見て回る消費者たち(写真=新華社提供)
元旦の連休期間、海南省の免税店には大勢の消費者が押し寄せ、化粧品、ハイブランドのバッグやアパレル、電化製品などのカウンター前は買い物客でごった返していた。これは新年早々、各地の消費市場が華々しく幕開けしたことを表す縮図でもある。
中央経済工作会議が2021年の消費刺激および内需拡大路線を明確にしたのち、関連部門と地方政府は鳴り物入りで関連措置を打ち出した。政策が実行に移されて効果が現れるにつれ、消費市場は回復を加速させ、予測では2021年の商品消費規模はさらに拡大し、中国は世界最大の商品消費国になると見込まれている。
盛り上がりを見せた元旦の消費市場
新年早々、各地の消費市場は幸先の良いスタートを切った。中国銀聯の統計データによれば、2021年1月1日の銀聯カードの総取引額は3592億元に達し、昨年の元旦の水準までほぼ回復した。
消費市場の回復は各地で集中的に打ち出されている消費刺激策と不可分のものだ。昨年末に、貴州省は旅行、自動車、家電消費を後押しするために合わせて9450万元を投じた。北京市では「迎春消費月」が始まり、さまざまな分野で元旦や春節(旧正月、今年は2月12日)、元宵節(旧暦1月15日)などの伝統的祝日における消費を刺激している。また、江蘇省蘇州市は家具・インテリアの消費を促す一連のイベントを始動させ、家具の買い替え補助などに1億元を拠出している。
短期と長期の両面で急速に進められる消費刺激策
注目すべきは、短期的な販売促進に力を入れると同時に、長期的な消費刺激および内需拡大の政策路線がすでに明確化されており、実施を加速させる段階に入っていることだ。中央経済工作会議は、2021年が内需拡大という戦略的基点を堅持し、雇用促進、社会保険の完備、所得配分構造の最適化、公共消費の合理的増加などの面でシステマティックな措置を打ち出す年になると指摘している。
それに続き、関連部門は集中的に関連する取り組みを計画している。その中で、コミュニティの住民のための消費政策が率先的に実施される。商務部は各地の都市部と農村部の住民消費サービスセンターに対して高齢者対応リフォームを進め、スマートサービス方式を最適化し、高齢者に優しい消費環境を作り上げるよう求めている。
地方レベルでも積極的に手はずが行われ、関連措置の効果が現れている。江蘇省は29項目の新たな取り組みを打ち出し、現在および今後一定期間の消費刺激における重点措置と主な方向性を明確にした。また、安徽省発展改革委員会など23の部門は複数の措置を合同で通達し、消費刺激によって力強い市場の形成を加速させている。
2021年の明るい消費見通し
政策によるメリットは2021年の消費回復に対する市場の期待をさらに高めている。商務部研究院流通・消費研究所の関利欣副所長は、これらの取り組みの着実な実施は消費者の自信をさらに高め、消費の差別化、多様化、高品質化のアップグレードというニーズを満たし、消費インフラと消費環境を整え、人々のより良い生活への求めをしっかりと満たし、消費拡大と人々の生活の質的向上を相互に結びつけるだろうと考えている。
「予測では2021年、消費市場は引き続き回復を加速させ、商品消費規模はさらに拡大し、中国は世界一の商品消費国になると見込まれています。サービス消費が占める割合はさらに高まり、住民の消費構造は引き続きアップグレードするでしょう。また、オンラインとオフラインの消費は融合を加速させ、新業態や新モデルのイノベーションはより健全で持続可能な発展を遂げるでしょう」と関副所長は語った。
「北京週報日本語版」2021年1月7日