中国の「第14次5カ年計画(十四五)」と2035年長期目標綱要では、国民健康保障の向上を優先戦略に位置付け、健康中国建設の全面的推進と予防中心主義の堅持によって国民に全方位・全サイクルの健康サービスを提供することが記された。
中国は向こう5年間で公共衛生や医療サービス、全国民医療保険などの衛生・健康システムを構築し、優良医療リソースの拡充と区域の均衡分布を加速する。河北省、河南省、山西省、遼寧省、安徽省、福建省、雲南省、新疆維吾爾(ウイグル)自治区では、患者の流出が多く医療リソースが相対的に薄弱な8つの地域として国家区域医療センターを試験的に建設する。遼寧省瀋陽市にある中国医科大学附属第一医院は、国家(腫瘤)区域医療センターを建設中で、中国医学科学院腫瘤医院と共に学術交流チャネルとリモート診察プラットフォームを構築している。
ある患者は、胸部と腹部の境界付近にある横隔膜に腫瘤ができ、肝臓と肺が侵食されたが、手術の高いリスクを考慮して当初は北京市で治療を受けようと考えていた。ところが最近、北京市にいる専門家の指導によって中国医科大学附属第一医院の医者が難易度の高い同患者の手術を成功させた。
「十四五」で中国は、平均余命を「第13次5カ年計画(十三五)」の77.3才から78.3才へ1才引き上げようとしている。1才引き上げの目標を達成するため、「十四五」期間に健康中国行動を実施し、慢性病予防の強化を図る。四川省蒼渓県の農村では、野菜炒めの油の量や塩加減、高血圧や糖尿病の予防方法などを学ぶ「健康理解者」学習教室が開かれ、ここで学んだ村民はこうした疾病の予防・治療に関する知識を知人に教えている。83才の寇含義さんは学習合格証を受け取り、帰宅後に奥さんに健康的な飲食について話した。
国民健康保障のため、「十四五」期間に中国は強大な公共衛生システムの構築を進め、モニタリング・早期警戒、検査・検出、応急処置などの職能を強化する方針で、約15カ所の区域公共衛生センター、約20カ所の国家重大伝染病予防・抑制・ケア拠点、約20カ所の国家緊急医学救援拠点を建設するほか、国家公共衛生防護ネットワークで14億人の健康を管理する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年4月11日