世界で建設中のうち規模が最大の、単一設備容量が最大の、技術の難易度が最高の水力発電プロジェクト、白鶴灘水力発電所の第1弾・2基が28日に稼働・発電を開始した。
28日に撮影された、稼働・発電中の白鶴灘水力発電所。
白鶴灘水力発電所は四川省寧南県と雲南省巧家県の境界にある金沙江上に位置する。中国三峡集団が開発・建設し、投資総額は2200億元(1元は約17.14円)、総発電設備容量は1600万キロワットで、中国が独自研究開発した単一発電機設備容量が世界最大の出力100万キロワット水力発電ユニット16基が設置されている。発電所の主体プロジェクトは2017年7月に全面的に着工。第1弾となる発電機2基で発電が開始され、2022年7月には全発電機で発電開始予定。発電所が全て完成し発電が開始されると、三峡プロジェクトに次ぐ世界第2の水力発電所となる。
第1弾の稼働・発電成功に伴い、白鶴灘水力発電所の総合効果のメリットが徐々に顕在化している。
白鶴灘水力発電所(28日にドローンで撮影)
・発電効果
白鶴灘水力発電所は西部の電力を東部に送る「西電東送」の基幹発電源の一つだ。設備容量は1600万kW、長年の平均発電量は624億4300万kWh。グリーンな電力は、2000キロ以上離れた華東地区に送り込まれ、現地経済の高品質発展を支える。
・生態効果
白鶴灘水力発電所の竣工・稼働開始後、毎年の標準石炭消費削減効果は約1968万トンで、CO2排出削減効果は5160万トン、二酸化硫黄は17万トン、窒素酸化物は約15万トンにのぼる。白鶴灘水力発電所は三峡、葛洲壩、金沙江の烏東徳、渓洛渡、向家壩と共に、世界最大のクリーンエネルギー回廊を形成する。CO2排出ピークアウト、カーボンニュートラルの目標達成を支える。
10日に撮影された白鶴灘水力発電所(ドローンで撮影)。
・洪水防止効果
白鶴灘水力発電所は金沙江下流の4段の発電所のうち、容量が最大で段状効果が最も顕著な水力発電所であり、長江洪水防止体制の重要な構成部分だ。三峡集団白鶴灘プロジェクト建設部技術管理部の王瑋主任は、「水力発電所の予備の洪水防止容量は75億立方メートルで、杭州の西湖の525倍に相当する。長江中流・下流に金沙江下流からの洪水防止の壁が加わった」と述べた。
・水運効果
金沙江は高い山と深い谷を貫く。細くうねり、早瀬が多く坂が険しく、流れが急だ。かつては河川の整備だけでは全面的な航行が不可能だった。白鶴灘水力発電所のフル稼働後、下流の渇水期の水量を増やし、航行条件を改善できる。
白鶴灘水力発電所(28日にドローンで撮影)
白鶴灘水力発電所の第1弾の発電機が回転を開始し、ダムエリアの10万人の立ち退き者も新たな生活に向かい前進を始めた。ダムエリアの立ち退き者である羅富万さんの一家は6人家族で、立ち退き者向けの住宅を2戸分配された。羅さんは新生活に満足し、「県庁所在地で暮らし、自宅付近で就職する。孫の通学、高齢者の通院のどちらもより便利だ」と話した。
プロジェクト建設はダムエリアの立ち退き者に恵みをもたらし、さらに現地の交通や通信などのインフラ、及び教育・衛生条件を改善した。約10万人分の雇用枠を創出し、経済の基礎が弱く、人々の生活水準が低いという両岸の少数民族居住区の苦境を変えた。地方の経済発展に新たな原動力を注いだ。
三峡集団は前後して四川省と雲南省に累計46億5000万元の資金援助を行った。27万人超が直接的・間接的受益者となった。さらに発電所の建設と稼働期間は、現地に安定的な税収をもたらし、農村振興に力強い支えを提供する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年6月29日