デジタル人民元は人々の暮らしにどんどん入り込んでいる。中国新聞網が伝えた。
北京市で開催された2021年中国国際サービス貿易交易会(CIFTIS)では、デジタル人民元のさまざまな新しい使い方が紹介され、人々の視野が大いに広がった。ここでは、そんな「デジタル人民元にはこういう使い方もあるのか!」と思わされるような例をいくつかご紹介しよう。
さまざまなタイプのデジタル人民元ウォレット。(撮影・李金磊)
杖でもデジタル人民元が使用可能に
もしもデジタル人民元はスマートフォンのアプリケーションでしか使えないと考えているなら、それは大間違いだ。デジタル人民元はスマート杖、腕時計、カギについているストラップなどいろいろな場所に隠れている。
会場に展示された高齢者向けスマート杖はなかなかの優れモノで、デジタル人民元の支払いもできる。なんと、杖の持ち手のところにデジタル人民元のハードウォレットが埋め込まれていて、軽く接触させれば支払いが完了するのだ。
展示されたデジタル人民元ウォレット。(撮影・李金磊)
ウエアラブルなデジタル人民元ウォレット
会場では、ブレスレットタイプやグローブタイプ、腕時計タイプなど、身につけることができるウエアラブルタイプのデジタル人民ウォレットも数多く展示された。
こうしたウエアラブルデバイスにはチップが埋め込まれている。腕時計タイプなら、デジタル人民元機能と健康アプリを搭載して消費と健康管理を一体化し、NFCとブルートゥースの2つの近距離無線通信に対応し、POS端末とやりとりでき、デジタル人民元の取引や流通を実現する。
またグローブタイプは、ウィンタースポーツ時に便利で迅速に決済したいというニーズに対応。スキー場やスケート場で、スポーツをする人も観光に来た人も、このグローブをつけていれば、軽く接触させるだけでデジタル人民元による支払いが完了するようになる。
残高や取引金額などが見えるハードウォレット。(撮影・李金磊)
残高が見えるハードウォレット
高齢者の多くは、カードは残高が分からないから不安だと思うかもしれない。でも大丈夫。残高が見えるハードウォレットがある。
こうした「見えるハードウォレット」は、サイズは銀行カードとほとんど変わらないが、カードに小さな窓枠があり、取引金額や残高が見えるようになっている。高齢者が身につけて持ち歩き、現金と同じように使用することができ、いくら使ったのかもはっきりわかる。
また、「見えるカード式ハードウォレット」には「健康宝(健康状態確認アプリ)」の健康状態チェック機能があり、高齢者には非常に使い勝手がよい。
(撮影・李金磊)
地下鉄でも使える
デジタル人民元はかなり多くのシーンで使用できる。「中国デジタル人民元研究発展進展白書」によると、2021年6月30日現在、デジタル人民元のテストシーンは132万ヶ所を超え、日常的な各種料金の支払い、外食サービス、移動・交通、ショッピング・各種消費、公共サービスなど各方面をカバーしている。
今回の交易会では、デジタル人民元を使用して地下鉄の改札機を通過するシーンが紹介された。こうしたシーンはすでに実用化されている。
今年6月30日から、デジタル人民元で北京地下鉄に乗車できるようになった。公共交通乗車券プラットフォーム「億通行」を使ってデジタル人民元で運賃を支払い改札を通る乗車体験テストでは、コード読み取りの必要もなく、スマホがロック画面になっていても改札機にかざせば通過できた。
シェア自転車のロックを解除
また会場では、デジタル技術を通じてデジタル人民元でシェア自転車のロックを解除する新機能が紹介された。
スマートSIMカードを搭載したデジタル人民元ハードウォレットのNFC決済機能により、ネットワークに接続していなくても、スマホのアプリを開かなくても、銀行カードとひも付けされていなくても、スマホをかざせばシェア自転車のロックを解除でき、同時に支払いも完了するというものだ。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年9月7日