広東省珠海市横琴新区の様子(写真=新華社提供)
9月5日、広東省と澳門(マカオ)特別行政区のより踏み込んだ協力指針である「横琴粤澳深度協力区建設全体案」が発表された。横琴島は広東省珠海市の南部に位置し、マカオと海を隔てて向かい合っている。開発・建設されて以来、横琴新区は国家発展の大局へのマカオ地区の全面的な融合を促し、マカオの特色のある「一国二制度」の実践を充実させることに力を入れており、産業発展は顕著な成果を収めている。「全体案」の発表は珠海とマカオが今後横琴でより一層協力を展開することを意味し、広東省・マカオ地区協力の新たな局面を切り開いた。
起業の新天地としての横琴
毎朝、マカオからでも珠海からでも、マカオの青年・周運賢さんは車で30分足らずで横琴島のオフィスに着くことができる。2015年、横琴マカオ青年起業バレーの発足時、卒業して海外から戻ってきた周さんは13人のチームを連れて起業バレーに入居し、3年足らずで同チームは国内外に影響力を持つ越境EC企業に成長した。
2018年、賞金が3億元に達する中国横琴科学技術起業大会が行われ、現在では多くのマカオの青年が同大会を機に横琴と縁を持ち、ここで活躍している。マカオに生まれ育った何国濤さんは普強公司の創始者であり、同年にチームを連れて横琴にやってきて、AIチップに関する「AI自動車芯脳プロジェクト」で第1回中国横琴科学技術起業大会の1位を獲得し、1億元の資金援助を受けた。これをきっかけに何さんは横琴と縁で結ばれ、同地で自らが立ち上げたプロジェクトを展開するようになった。
2021年8月末の時点で、横琴ではマカオ資本の企業が4500社を超え、登録資本金が1300億元以上に達した。また現在のところ、周さんや何さんのようにマカオの青年が横琴で設立した革新的な企業やプロジェクトは600に達し、横琴はすでに内陸部で起業するマカオの青年にとって最優先の候補地となっている。
イノベーションの新たな集積地
このほど横琴で行われた広東省知能科学・技術研究院のプレート除幕式で、「『知能院』の目標はマカオの戦略的地位の優位性を充分に生かし、ハイレベルな人材チームとハイテク技術のイノベーションリソースの導入に力を尽くし、脳型知能研究分野のボトルネックになっている技術的問題をクリアすることにある」と、中国科学院の張旭院士は意気込みを語った。
「知能院」のほか、現在マカオ大学、マカオ科学技術大学はすでに横琴で産・学・研究協力のモデル拠点を設立し、マカオにある4つの国家重点実験室も横琴で支部を立ち上げている。さらに、横琴は中国科学院と協力して、横琴先端知能コンピューティングセンターを共同設立している。同センターは現時点で1秒間に116京回の計算能力を持ち、全面完成後には1秒間で400京回に達し、合わせて150の企業や機関に計算サービスを提供できる見込みだ。
「北京週報日本語版」2021年9月14日