深圳前海深港青年夢工場で交流する起業者たち(写真=新華社提供)
このほど、中国共産党中央委員会と国務院により通達された「前海深港現代型サービス業協力区における改革開放の全面的深化構想」が大きな注目を集めている。「前海構想」は粤港澳(広東省・香港地区・澳門<マカオ>地区)協力の水準を高め、大湾区建設を推進する上で重要な意義を持っている。前海協力区の建設はさまざまな面で香港・マカオ地区の業界や青年に新たなチャンスをもたらし、ますます多くの香港・マカオの青年が前海で夢と未来を追っている。
「ここは夢が叶う場所」
2018年、高月華さんは高給かつ安定した香港での仕事を辞め、深圳で起業した。前職である認知症ケア専門の医療従事者の経験を生かし、高さんは介護スペースデザインの仕事に携わり始めた。
「深圳は新しい物事をとても受け入れやすく、イノベーションを奨励する都市です。ここでは高齢者向けのスマートハードウェアのイノベーションが多く行われている一方、臨床従事者による専門的な意見が足りておらず、時には供給と市場ニーズが一致しないこともあります」と高さんは言う。彼女から見ると、これは大湾区のさらなる開放と融合に伴い、香港の専門職の人々にもたらされたチャンスだという。
「最初に前海を選んだのは、自宅から近いし、空気も環境もいいからです。ここに来てから、イノベーションが特に奨励されていることが分かりました」と高さんは言う。現在、彼女は深圳の健康コミュニティのデザインに参加するだけでなく、上海のチームと協力してAIを使った高齢者認知症スクリーニング・判断システムを開発しており、現在開発中の科学技術介護文化クリエイティブ製品の国家特許も申請している。「ここはより大きな夢が叶う場所で、意気投合した仲間もたくさんいます。深圳に来たいと思っている香港の青年のみなさんには、迷わずに早くおいでと言いたいです」と高さんは呼びかけた。
現在、前海では香港・マカオの青年への支援政策がより一層最適化されている。前海深港青年夢工場の起業者向けオフィスの面積は4万7000平方メートルから14万平方メートルに拡張され、今年6月の時点ですでに524の起業チームに支援を提供している。
「内陸部はチャンスがより多い」
2021年から、前海は月ごとに香港・マカオ青年雇用計画を発表し、毎月100以上のポストを提供している。香港で公務員として働いていた羅元礼さんはこの計画を通じて前海で働くようになった。「業種と市場成長の趨勢から見ると、専門職にとって内陸部はチャンスがより多いので、ここで働くことを決めました」と羅さんは言う。
前海で働く香港・マカオの青年の便宜を図るため、前海は「深港青年一站通」アプリを打ち出し、ウェブサイトやアプリ、ミニプログラムなどで香港・マカオの青年に求人情報や起業政策、起業拠点の入居条件などを分かりやすく紹介し、香港・マカオの青年に「ワンストップ式」の情報サービスと支援を提供している。
「北京週報日本語版」2021年9月28日