中米経済・貿易、早急に市場主導型にせよ

中米経済・貿易、早急に市場主導型にせよ。中国の世界の産業チェーンにおける地位は非常に堅固な総合力に根ざすものであり、短期・中期内に揺るがせたり、代わりを見つけられるものでは決してない…

タグ:産業チェーン 貿易 関税 市場 製造業

発信時間:2021-11-17 16:13:52 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 中国税関総署はこのほど1−10月の貿易データを発表した。うち、中米貿易額が23.4%増の3兆9500億元で、対米貿易黒字が18.9%増の2兆800億元だったことが注目されている。米国が中国を対象に大規模な追加関税を導入してから3年後、中米貿易は依然として力強く成長しており、中国の対米貿易黒字が依然として巨額になっている。これは当初トランプ政権がまったく予想しなかったことだろう。これは市場の力が巨大であることを示している。米国はいつも最も「市場中心型」の国と自称するが、市場の力を過小評価し、関税という時代遅れの貿易の武器の力を迷信した。(筆者・屠新泉 対外経済貿易大学中国WTO研究院長)


 実際に中米間の産業レベルの直接的な競争は少なく、日米間の激しさに遠く及ばない。むしろ中米は世界のサプライチェーンにおいて高度な相互補完と協力の性質を持つ。全体的に見ると、米国はスマイルカーブの両端(前端の研究開発、後端のマーケティング)に置かれている。これは米国が世界で最も強いイノベーション体制、最も消費主義精神に富む多くの人口を持つからだ。分業に関して見ると、この両端は間違いなく利益が最大の部分だ。中国の出発点はスマイルカーブの底部だった。最もシンプルな加工貿易から始まり、自国の労働力の規模と素養の強みを活かし、労働集約型加工業を発展させた。資本と技術を蓄積した後、徐々にスマイルカーブの両端に移った。この高度化は他国のシェアを奪うことの方が多い。米国のカーブの両端への移動は能動的なもので、しかも中国よりも早く世界市場に進出した。


 そのため、中国と米国の産業チェーンにおける直接的な競争は最近でも稀で、新エネ産業は一つの例外かもしれない。しかしテスラの中国における大成功は、米国が研究開発とマーケティングを担当し中国が製造を担当することが、依然として最適であることを示している。この協力を根本的に言うならば中米両国の比較優位を、市場経済の法則を反映している。中米両国の企業はそこから大きな市場の利益を得られる。当然ながら両国の貿易データに反映されると、中国の米国に対する持続的な貿易黒字が見られる。これは貿易関係を見ると、中国が生産国で米国が消費国だからだ。米国の比較優位は技術、市場、産業チェーンへの支配力に示されているが、これを米国の輸出データに転化させることはできない。


 トランプ政権はこの経済の法則を理解できない、もしくは受け入れたがらず、乱暴にも中国からの輸入品に大規模な追加関税を導入する措置を講じた。こうすることで中国製品の競争力を下げ、米国製の魅力を高め、製造業の自国回帰を実現できると考えた。ところが米国の製造業の移転は70年代より自発的に形成されたもので、中国が引き起こしたものではない。単純に中国製品に制限をかけても何の解決策にもならない。3年以上に渡る事実は、関税により中米の産業チェーンをめぐる協力を断ち切ることは、市場の法則に背く無知で無益な措置であることを十分に証明済みだ。


 中国の世界の産業チェーンにおける地位は非常に堅固な総合力に根ざすものであり、短期・中期内に揺るがせたり、代わりを見つけられるものでは決してない。人類史上初めて工業化をほぼ完了した人口10億人クラスの大国である中国には、高品質のインフラ、高素養の技術者及び労働者、安定的な政治と社会環境、政府の力強い供給側の支えがある。これは中国の整った製造体制、多くの製品の産業クラスタを形成した。それと同時に中国の日増しに拡大する革新力と中産階級はイノベーションと市場の両端で、中国の製造業発展に新たな国内の推進力を提供している。


 新型コロナウイルスの流行は昨年、世界の貿易及びサプライチェーンに大きな衝撃を及ぼした。しかし中国政府の積極的で力強い感染対策により、中国は世界で最も安全な国の一つになり、世界の製造業及びサプライチェーンの中心としての地位をさらに固めた。米国が今回は事実をはっきり認識し、法則を尊重し、早急に方針を変更し、中米経済・貿易関係を市場が決定的な力を持つ正しい軌道上に戻すことを願う。


 「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年11月17日

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