中国恒大集団は3日、担保責任を履行できない可能性があるとの公告を発表した。広東省人民政府は、当日夜直ちに中国恒大集団のトップの許家印氏と面談したと発表した。恒大地産集団有限公司の要請に応じ、広東省人民政府は同社に作業チームを派遣することに同意した。その後、中国人民銀行、銀行保険監督管理委員会、証券監督管理委員会、住宅・都市農村建設部が恒大集団の問題についてコメントした。

　アナリストは、「恒大集団の問題は個別のリスクであり、処置は重要な一歩を踏み出した。これは恒大集団全体の債務規模を全面的に明らかにし、リスクを効果的に解消する上で有利だ。また、川上・川下企業と関連不動産企業が直面している不確実なリスクを縮小する上で有利だ。それから、各方面の合法的な権益を守り、社会の安定を保つ上で有利だ」との見方を示した。

　各関連部門のコメントを総合すると、恒大集団の問題は個別のリスクに属する。中国の不動産業は現在、全体的に健全な発展を保っている。不動産企業の債券市場における資金調達ルートは円滑さと秩序を保っている。

　中国人民銀行や証券監督管理委員会などの部門が発表した情報によると、恒大集団は経営管理が不適切で、盲目的に多元的に拡張し、最終的にリスクの爆発を招いた。大多数の不動産会社は本業を守り、穏健に経営している。

　恒大集団の問題は金融市場にどのような影響をもたらすだろうか。銀行保険監督管理委員会の報道官は、「恒大集団のすべての債務に占める金融債務の割合は約3分の1で、構造が比較的分散化されており、金融投資の規模は小さい。ゆえにこれは中国の銀行業と保険業の正常な運行に何の悪影響ももたらさない」と述べた。

　証券監督管理委員会の責任者は、「A株市場は現在、全体的に見て安定的に運行している。強靭性と積極性が高く、取引所の債券市場違約率が低い水準を保っている。不動産関連上場企業及び債券発行者の経営・財務指標は全体的に健全だ。恒大集団のリスクが資本市場の安定運行に及ぼす影響についてはコントロール可能だ」と指摘した。

　中国人民銀行の責任者は、「短期的に一部の不動産企業にリスクが生じても、中長期市場の正常な資金調達機能に影響することはない。このほど域内の不動産販売、土地購入、資金調達などの行為が徐々に正常化している。一部の中国不動産会社は域外債券の買い戻しを始めている。一部の投資家も中国不動産会社の米ドル建て債券の購入を開始している」と説明した。

　住宅・都市農村建設部の関係者は、「広東省人民政府は恒大集団に作業チームを派遣した。これは恒大集団のリスク解消、住宅引き渡しの保証、住宅購入者の合法的な権益の保護にとって有利だ」と述べた。証券監督管理委員会の関連部門の責任者は、「これは資本市場と不動産市場の健全な発展に対する見通しとマインドの安定にとっても有利だ」と述べた。

　銀行保険監督管理委員会の報道官は、「法に基づき消費者・投資家・経営者の正当な権益を守る金融監督管理部門の立場にはいかなる変化も生じない。中国の金融の市場化・法治化・国際化の改革開放の方針にはいかなる変化も生じない」と述べた。

　「中国網日本語版（チャイナネット）」2021年12月6日