■ 製造業スーパーシティに集中する輸出総額
図3が示すように、「2020年中国都市製造業輻射力」のトップ5都市が中国全体の輸出総額に占める割合は32.5%、トップ10都市は44.2%、さらにトップ30都市の割合は71.7%にも達している。周牧之教授は「中国の輸出産業はこれら製造業スーパーシティに高度に集中している」と述べている。
図3 2020年中国都市における輸出総額の集中度
■ 深水港の重要性
「2020年中国都市製造業輻射力」のトップ10都市は成都を除き、すべて大型コンテナ港を利用できる立地優位性を誇る。周牧之教授は「コンテナ輸送は、グローバルサプライチェーンを支える基盤である。このような結果は、グローバルサプライチェーンにおける深水港の重要性を窺わせる」と解説する。
雲河都市研究院が、中国全297都市の製造業輻射力と都市交通中枢機能との相関関係を分析した結果、図4で見られるように製造業輻射力とコンテナ港との利便性との相関係数は最も高く、0.65という「強い相関関係」を示した。製造業輻射力と鉄道利便性、空港利便性との間の相関係数は、それぞれ0.62、0.48であった。この相関関係分析は周牧之教授の解説を裏付ける。
図4 2020年中国都市製造業輻射力と都市交通中枢機能との相関関係分析