中国の宇通公司製のバスが2020年、W杯カタール大会専用車プロジェクトを受注した。さらにその後の発注を加え、カタール側は中国から1500台のバスを輸入した。そのうち888台はEVバス。これらのバスはサポーター、FIFA関係者、記者を会場まで送る。
宇通客車カタールサービスチーム責任者の甘紹営氏は誇らしげに、「この国際的なビッグスポーツイベントで中国の大量の新エネバスが初めて導入される。またEVバスが主力としてW杯をサポートするのも初めてだ。中国の新エネ技術が世界に認められたと言える」と語った。
カタールでの運転は、猛暑、乾燥、強風、砂の試練を乗り越えなければならず、車の性能に厳しい要求が突きつけられる。中国企業はスマートなカスタマイズを行った。
チームは風沙を考え、バス全体を密封し、シャーシの防護にも工夫した。EVのモーターは泥砂防護構造を採用し、窪みや砂利道への適応性を高め、モーターの安全を保証した。
バッテリーは水冷システムを採用。運行中と充電中に電池の温度を摂氏45度以内の理想的な範囲内に抑える。これは全ライフサイクルのバッテリーの容量低下を10%減らし、航続距離をさらに延ばした。
車内のエアコンはスマート気温制御アルゴリズムを採用。車内外の気温の変化を自動で検査・認識し、風量を動的に調節する。車外がどれほど暑くても車内は涼しい。
中国製バスに乗車した市民とサポーターは、「騒音が少なく、レベルが高い」と評価した。
甘氏は、「燃料資源が豊富なカタールではEVの購入が少ない。そこで我々はカタール側の2000人を超えるEVドライバーを訓練し、車の安全運行を保障した」と述べた。
W杯終了後、これらの中国製のEVバスはカタール公共交通の重要な構成部分になる。「グリーンな共有」とはこのことだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年11月21日