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japanese.china.org.cn |22. 05. 2024 |
中国の生産能力は過剰?まず貿易データを見よ
西側の政策アナリストの間で流行している説と異なり、中国の「輸出激増」は存在しない。中国の先進市場への輸出は数年で変化が少ないが、グローバルサウス諸国への輸出は倍増した。香港のアジア・タイムズ・オンラインが伝えた。
中国のグローバルサウス諸国への輸出額がかつてないほど増加しているだけでなく、グローバルサウス各地域への輸出も同時に増加している。中国の発展途上国への輸出の成功が、新たな貿易モデルを反映していることは間違いない。これはトランプ政権が2019年に約2000億ドルの中国製品に25%の追加関税を導入したことにより形成された。中国は部品と資本財をメキシコ、ベトナム、インド、その他の国に輸送する。これらの国はこれを組み立て完成品にし、米国に販売する。
世界銀行、国際通貨基金、国際決済銀行、ピーターソン国際経済研究所はいずれも研究報告書の中で、米国はこれまで以上に中国のサプライチェーンに依存しているとの見方を示した。
中国のグローバルサウス諸国への輸出増に伴い、米国のグローバルサウス諸国からの輸入も増加している。中国のグローバルサウス諸国への輸出は2020年の毎月900億ドルから現在の毎月1500億ドルへと600億ドル増えている。うち約半分の300億ドルは、米国の第3国からの輸入増だ。つまり中国のグローバルサウス諸国への輸出増の約半分は、中国のサプライチェーンが発展途上国まで広がっていることと関連しており、残りの半分は中国が近年主導権を握っている業界のものだ(電気自動車、太陽光発電製品、デジタルインフラ、交通インフラ、電子機器など)。
絶対値に関して言えば、現在の世界経済における最も重要な発展である中国の貿易のこの重大な転換が、米アナリストからほぼ論評されていないことに注意が必要だ。
米国の多くの政策研究機関は、中国は危機を迎えていなくても後退しており、米国の先端半導体の輸出規制は中国の科学技術の野心を挫くという観点を認める。ところがこの観点が間違っていることは事実によって証明されている。
実際に中国は科学技術の制裁を迂回し、米国の関税も迂回している。中国には「一帯一路」共同建設イニシアティブにより、自国の工業化の一部をグローバルサウス諸国で複製するという計画があったのだ。
中国のグローバルサウス諸国への輸出の成功は、意表を突いた勝利だ。米アナリストのこの問題への沈黙は無知や怠惰の現れであるだけでなく、壊滅的な集団の政策の失敗を米国人が認めたがらないことを露呈している。
トランプ政権は中国への先端半導体の輸出を停止した。米アナリストは、中国はこれを得られなければ全国的な5Gネットワークの構築が不可能と判断した。数年後、米国は約360万カ所の5G基地局を完成させたが、米国は10万カ所のみだ。米国は2022年に「核のオプション」を用い、すべての中国企業を対象に先端半導体及び設備の取得を規制した。中国企業はその1年後に5Gスマートフォンを発売した。その先端5G半導体は中国で生産された。
米国の政界は自分たちが集団で犯した壊滅的な間違いを認められず、中国の成功への言い訳を試みている。これは米メディアが記事の中で、中国の製造業は「生産能力過剰」であり、世界は「第二次チャイナショック」の脅威を受けているという説を唱える動機だ。
「第二次チャイナショック」という説には、中国の直接競争する先進国市場への輸出が増加ではなく減少しており、グローバルサウス諸国への輸出が大幅に増加しているという問題がある。これらの国は、中国の割安な電気自動車、ソーラーパネル、ブロードバンドインフラのほぼ無限の需要を持つ。
この観点を誇張するならば貿易データを目にし、米国の対中政策の制定は屈辱的な失敗だったとの結論を導き出すべきだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年5月22日